交流サイト:きっかけの事件、子どもの性的被害が最多




毎日新聞
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 警察庁は16日、2014年にインターネットのコミュニティーサイト(交流サイト)がきっかけとなって性的な事件の被害者となった18歳未満の子どもが1421人いたと発表した。統計を取り始めた08年以降で最多で、全体の8割近い1118人がスマートフォンを使っていた。サイトの危険性について保護者から注意を受けていなかったケースも半数を超えており、担当者は「友人がやっているからと危険性を知らずにサイトを利用して被害に遭っている」と指摘している。【長谷川豊】

 ◇スマホ利用8割

 交流サイトは多くの人とやり取りできるサイトやアプリの総称。警察庁によると、交流サイトがきっかけとなった子どもの犯罪被害は大手業者が対策を講じた効果で11年に一度は減少したが、アプリのIDを交換する掲示板の普及などで13年から再び増加に転じた。
 こうした掲示板ではアプリ事業者による年齢制限などの対策が及ばず、相手が子どもでも直接やり取りすることが可能になっていた。掲示板で知り合った相手から被害を受けた子どもは12年の36人から13年は352人に激増し、14年も439人に上った。
 一方、サイトがきっかけとなって被害を受けた子どものうち、スマートフォンを含め携帯電話でサイトを利用したケースが約9割を占めた。携帯電話の名義が判明した1000人のうち、7割以上が両親名義の電話を使っていた。
 保護者による注意状況について答えた773人の子どものうち、54%は保護者から利用の注意を受けていなかったといい、「サイト利用を親に話さない」(27%)や、「注意を受けたことはなく放任」(26%)などの回答が目立った。摘発された事件の内訳は、青少年保護育成条例違反711人▽児童買春・ポルノ禁止法違反618人▽児童福祉法違反54人▽強姦(ごうかん)23人−−などだった。警察庁は、有害サイトへの接続を制限する「フィルタリング」の利用呼び掛けや掲示板運営業者への対策要請など取り組みを強める。
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