ウォール・ストリート・ジャーナル日本版様
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【ロサンゼルス】それは「育児放棄」と言うべきか、それとも「警察国家」のようだと言うべきか——。米国で「のびのび育児」をめぐる議論に火が付いている。
発端は今年初め、メリーランド州に住む10歳と6歳の兄妹2人が、大人の付き添いなしに家の近くをふらついていたとして、両親が警察の取り調べを受けたことだった。子どもたちは当時、家から800メートルほど離れたところにいた。
この兄妹は前週末夕方、今度はモンゴメリー郡の児童保護施設に連れて行かれた。報道によると、家から500メートルほど離れた場所を歩いていたところ、警察に通報された。
母親のダニエル・メイティブさんによると、子どもたちに夕方6時半までに帰ってくるよう告げたが、2人は時間になっても戻らなかったため、夫と車で探しに出かけたところだった。
メイティブさんは交流サイト(SNS)に、「警察は家まで連れて帰ると言って子どもたちを無理やりパトカーに乗せた。ところが子どもたちはパトカー内で3時間も待たされた。その後、私たちに何の連絡もなく2人を危機管理センターに連れて行き、さらに2時間半ほど拘束した。子どもたちには夕食も出なかった」と投稿した。
「結局、家に戻ったのは夜11時で、家族全員がぐったり疲れ、怖い思いをしたため、子どもたちは私たちの部屋で寝た」という。
児童保護施設は3月、メイティブさんと夫が子どもを勝手に歩かせていたことについて、「意図せず」育児を放棄したとの判断を下していた。
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