東京新聞様
------------------------------------------------------------------------------------------------
県は、二〇一四年度に県内の児童相談所や各市町における児童虐待の受理件数と対応件数をまとめた。受理件数は千六百九十四件で前年度比８・７％増、対応件数は千六百六十七件で同６・４％増。いずれも三年連続の増加で、現在の統計方式となってから最多だった。
詳細なデータがある児童相談所の件数を抽出すると、一四年度の受理件数は九百四十五件で、対応件数は九百三十一件。対応件数における虐待の種類別では家族への暴力など、子どもを脅（おび）えさせる心理的虐待が三百八十三件で、一三年度より百十三件も増えた。
一方で、直接的に暴力を振るうなどの身体的虐待（二百四十五件）、性的虐待（十九件）、育児放棄のネグレクト（二百八十四件）は、一三年度とほとんど変わらなかった。
県こども政策課によると、件数が増えた理由として、虐待に対する意識の高まりから虐待の認知度が上がり、家族や周囲の人の通報、相談が増えた点を指摘。これまで見過ごされがちだった心理的虐待の対応件数が増えたことや、市町での養育支援を必要とする家庭の把握が進んだことなどが全体数を押し上げたと分析している。 （藤原哲也）