「18トリソミー」の子供たち写真展 20、21日に日本赤十字社和歌山医療センターで

たっちができる赤ちゃんのイラスト(カラー)


産経ニュース
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18番目の染色体に異常がある先天性疾患「18トリソミー」の子供たちを撮影した写真展が20、21両日、和歌山市小松原通の日本赤十字社和歌山医療センターで開かれる。一般的に知られていない疾患への理解を深めてもらおうと、家族でつくる「Team18」が企画。関西エリア代表の三輪雅子さん(43)=和歌山市=は「娘は亡くなったが、懸命に生きている子供もいる。写真を通して『生きる』ことについて考えてもらえれば」と話している。
 カメラに向けられた笑顔、家族やきょうだいに囲まれた様子など、全国から152人の子供の写真が寄せられた。「どれも親の気持ちがこもっている子供たちの姿ばかりです」と三輪さん。昨夏から全国14カ所で開催。5月には横浜市や大阪府高槻市などでも開かれ、多くの人が訪れた。
 18トリソミーの子供は、重い脳障害や内臓疾患があり、母胎内で亡くなる場合も多い。誕生しても約6割が生後1週間程度しか生きられないとされるが、近年は、治療によって就学年齢に達し、通学する子供たちもいるという。
 三輪さんは平成24年9月に三女の杏果ちゃんを出産したが、生後約1カ月で18トリソミーと判明した。「現実をなかなか受け入れられませんでした」と振り返る。18トリソミーについて知識がなく、調べても「短命」といった不安にならざるを得ない結果ばかりだった。
 杏果ちゃんは、気管が細く心臓や消化器官にも疾患があったため、気管切開した上で人工呼吸器を付けて、鼻からチューブで栄養を取っていた。
 1歳の誕生日は家族全員で祝ったが、年末に容体が悪化し、26年の元日に亡くなった。娘との別れから約1年半たった今も寂しさは募る。
 25年には、母親の血液から高い確率で18トリソミーやダウン症など、胎児の染色体異常の有無が確認できる新型出生前診断が始まった。「命の選別につながりかねない」との声もあるが、三輪さんは「出産前に疾患が分かることで、準備をして子供を迎え入れることもできる。両親が話し合って出した選択を受け入れる社会であってほしい」と願う。
 写真展は午前11時15分~午後4時半(21日は午後5時まで)。入場無料。20、21両日とも午後2時から、滋賀県立小児保健医療センターの熊田知浩医師に、障害児の発育や子育てなどに関する相談ができる座談会も開かれる。問い合わせはメールで。アドレスは次の通り。team18kansai@yahoo.co.jp
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