子育てママの在宅就労支援 求人会社など連携

スリングで抱っこするママのイラスト(カラー)

読売新聞
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 子育て中の母親をウェブサイトの改善を担う人材として育成し、自宅にいながら働けるように支援しようと、求人情報会社やIT企業などが連携して、9月から福岡市でプロジェクトに取り組む。

 同市は雇用創出を目指す国家戦略特区に指定され、ITを活用した企業の創業が進み、将来的に不足が予測される人材の育成も行いたい考えだ。2017年度までに100人の育成を目指す。

 プロジェクトは、求人情報誌を発行する「リクルートジョブズ」(東京)やネットサービスの改善などを手がける米IT企業「カイゼンプラットフォーム」、主婦の就労支援やスキルアップに取り組むNPO法人「ママワーク研究所」(福岡市)などが実施する。

 リクルートジョブズが14年に発表した20~49歳の子どもを持つ女性に対して行った就業状況の調査では、無職女性の多くが職業を持つことを望んでいる反面、9割以上が育児との両立や離職期間の長さに不安を感じているという。プロジェクトは、同市が開設した創業支援拠点「スタートアップカフェ」などでの交流を通じて、こうした問題の解決策として発案された。

 子育て中の母親を対象に9月から7か月間、IT系の人材育成に力を入れる専門学校「デジタルハリウッド福岡校」(福岡市)で、ウェブデザインやウェブの改善についての知識や技術を基礎から教える。授業料の6割を同校とリクルートジョブズが補助をする。

 受講した母親は、同社の運営するサイトで在宅の仕事を探すことができるほか、カイゼンプラットフォームにサイトの改善を相談している企業などに対して改善案を提案し、採用されれば報酬を受けることができる。

 カイゼンプラットフォームの担当者は「子育て中の母親などフルタイムで働くことが難しい人の多様な働き方を支援することが国の進める地方創生の鍵になる」としており、福岡市での取り組みの状況を見て、他の地方都市での実施も検討するという。

 9月からの講座は定員に達しているが、今後も講座の開講を予定しているという。
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