木の家、自然学び場 嶺北地域でこども大学

花の世話をする子どものイラスト(カラー)
読売新聞
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◇21~24日、森の生態系知り模型作り
 小学生が大学レベルの教育に触れ、夢や創造性を育む催し「こども大学inこうち」が21~24日の3泊4日の日程で、本山町などの嶺北地域で行われる。「ツリーハウスの森大作戦」をテーマに、森や自然について学んだうえで、ツリーハウスの構想を練り、町づくりとのかかわりを考える。(畑本明義)
 「こども大学」は2002年にドイツで始まった取り組みで、県内で開かれるのは初めて。高知大地域連携推進センターの地域コーディネーター・梶英樹さん(42)や移住支援団体や体験宿泊施設、町職員のほか、高知大の学生ら約20人でつくる「こども大学れいほくプロジェクトチーム」が企画。交流人口を増やすともに、地域の自然環境を知り、自分たちの夢をかなえるきっかけとしてツリーハウスに着目した。
 参加するのは、首都圏の小学4、6年生2人と、嶺北地域の子ども11人。参加者は、理想のツリーハウスの絵を持ち寄って、それを基に模型を作る。本山町内の森林では、高知大農学部の講師から森林の生態系などを教わり、木の皮をむいて立ち枯れさせる間伐作業などを体験。その後、参加者同士でツリーハウスの模型の配置などを話し合って「ツリーハウスの森」のイメージを作り、地域の大人を交えてさらに議論を深める。同町内にあるツリーハウスも見学する予定。
 21日の夜は、宇宙航空研究開発機構(JAXAジャクサ)の担当者による星空観察会、最終日には本山町の汗見川での川遊びなども楽しむ。
 地域でスーパーを展開する「末広」(土佐町)も活動を支援。6、7月に「応援寄付つき商品」の販売を通じて募金を募り、売り上げの一部約3万9000円に6万1000円を加えた10万円を4日、同チームに寄付。谷脇敦社長(40)は「子どもたちの未来のためにと思い、協力した。都会の子どもたちには豊かな自然を体験してもらい、嶺北の子どもにとっても都会の子どもとの交流が良い刺激になればうれしい」と話した。
 今回のこども大学では、ツリーハウスは完成しないが、これをきっかけにツリーハウスのある町づくりについて考える機運を作るのが最初の目標。梶さんは「嶺北地域が県外から来る子どもの第二のふるさとになれば。都会と嶺北、大人と子どもが共通の夢でつながり、子どもたちに自分たちが町づくりの主役だと気づくきっかけになってほしい」と話している。
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