環境都市の歴史を絵本に 北九州市

北九州市が製作した「あおい空あおい海」
北九州市が製作した「あおい空あおい海」 

読売新聞
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 北九州市は、公害を克服して環境都市となった市の歴史を絵本にした教材「あおい空あおい海」を作り、市内全ての小中高校と特別支援学校に配布した。紙芝居も製作しており、貸し出して環境意識を高めるのに活用してもらう方針。
 市環境学習課によると、市は2006年に国連大学が進めている「持続可能な開発のための教育」(ESD)の地域拠点に認定され、NPOや企業などとつくった「北九州ESD協議会」で児童らへの環境教育などを行ってきた。ESDの概念をより分かりやすく解説し、子どもたちにも理解を深めてもらおうと、教材の製作を企画した。
 教材はA4判のカラーで18ページ。北九州での公害発生とその克服までの歴史を、昔話風にアレンジした内容を収めた。自然が美しい村で産業が興り、人々の生活が潤う一方、海などが汚染されたことから、住民たちが皆で話し合い、海が汚れないような方策を考えて公害を克服する話にまとめている。
 教材の後半では、「村人みんなで話し合い」「努力と創意工夫が結実」「隣村にもひろがる あおい空とあおい海」など、絵本を七つの場面に分けて解説。情報を共有し、解決策を実践に移して知識・ノウハウを広げていくことの大切さが説かれている。
 教材は2000部製作した。費用は約100万円。各校に1~2部を配布したほか、市環境学習課でも配っている。絵本と同じ内容の紙芝居も作っており、貸し出す予定という。
 同課は「教員にもESDのことを正しく知ってもらい、子どもたちへの環境学習などに活用してもらえれば」と話している。
 問い合わせは同課(093・582・2784)へ。
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