子どもを悪魔と考える欧米人、子どもを神と考える日本人

子どもを悪魔と考える欧米人、子どもを神と考える日本人
ニコニコニュース
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たとえば、「誰に対しても同じ態度で接し、素直に大人のいうことを聞く子」、「将来の夢を持ち、意欲的に取り組む子」など、こうした子どもを「子どもらしい子ども」と考える大人は少なからずいるはずだ。だが、どうして大人は子どもらしさを求めるのだろうか。「教えて!goo」「子どもに対して『子どもらしくいて欲しい』と思ってる?」と聞いたところ、意外な回答が多数寄せられた。

■子どもらしさ以上に求めるもの

もっとも多かったのは、「子どもらしさって、何でしょうね」(よっぽっぽさん)、「そもそも子供らしいって何かね?」(-Kirito-さん)など、「子どもらしさ」の定義について疑問を唱える声だった。


また、「大人の基準でみてはいけません」(mr_poohさん)や「親のエゴ、大人のエゴ!」(マッチャンさん)のように、大人の価値観で子どもを型にはめようとすることへの否定的な意見も多かった。

そして、なかにはこんな意見もあった。

「『子どもらしい』ということより、『その子らしく』いてほしいです」(葉月0927さん)

大人の求める理想の子ども像ではなく、子どもがもっとも輝ける姿でいてほしいということだろう。

■「子どもらしさ」は文化によって180度異なる!

だが、たとえば小学校受験対策の場で、「子どもらしさ」が一つのキーワードになっている現状などを考えると、「子どもらしさ」を求める傾向は根強いように思われる。なぜ、大人は子どもにこういったものを求めるのだろうか。心理学者の内藤誼人先生に話を聞いた。

「日本では、7歳までの子どもは“神様”のように考えられていました。そのため、子どもらしくいることを期待するのだと思います」(内藤先生)

日本人が「子どもらしさ」を大切にするのは、文化的な背景が大きく影響しているということのようだ。

「逆に欧米では、子どもは“悪魔”のようにとらえられている部分があります。『子どもらしい』というのは『人間らしくない』というのと同じだと考えられているのです。だから、欧米の人は、子どもに幼い頃から自分の部屋を与え、独立心の芽生えを促すのですね」(内藤先生)

そういえば、日本で「少年のような心を持っている人」といえば、ポジティブな言葉として捉えられることが多いが、欧米で「チャイルディッシュ」や「チャイルドライク」というと、悪口に近いニュアンスがある。文化によって、「子どもらしい」ということへの考え方が大きく異なるということだろう。

だが、ユーザーの回答を見ていると、こういった価値観も少しずつ変化しているように感じられる。あなたは、どんなことを「子どもらしい」と感じるだろうか。そして、子どもには『子どもらしく』いてほしいと思うだろうか。

●専門家プロフィール:内藤 誼人(ないとう よしひと)
心理学者、立正大学客員教授、有限会社アンギルド代表取締役。慶應義塾大学社会学研究科博士課程修了。「アドラー心理の言葉」(ぱる出版)、「電車のハシに座る人は成功できない」(大和書房)他、著書多数。
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