ゲームやネット、子供の言葉に影響




読売新聞
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 文化庁が17日に発表した2014年度「国語に関する世論調査」で、子供の言葉遣いに対して、ゲーム機やインターネットの影響が大きくなっていることがわかった。

 家庭で言葉遣いについて注意を受けた人は減っており、同庁は「パソコンやゲームが大人から子供まで浸透し、家庭での会話が減っていることなどが考えられる」としている。

 調査で、子供の言葉遣いに与える影響が大きい人やものを尋ねた(複数回答)ところ、「ゲーム機」と答えた人が47・5%で、同じ質問をした2000年度調査(34・1%)、07年度調査(45・2%)より上昇。「インターネット」も39・2%と、07年度調査より11・5ポイント増えた。一方、「母親」(72・3%)や「父親」(67・8%)などは、07年度調査よりも減っていた。

 「幼少期に家庭で言葉遣いを注意されたことがあるか」という質問では、「注意されなかった」人が43・5%。2000年度調査(26・8%)、07年度調査(39・3%)より増えていた。

 子供の言葉遣いを注意すべき人では、「父親・母親」が96・4%と最も高いが、「学級担任の先生」も9割を超え、学校への期待が大きいことがうかがえる。

 「今の国語が乱れていると思うか」については、「乱れていない」を選んだのが23・5%で、1999年度の調査以降、増加傾向にある。特に16~19歳では「乱れていない」と思っていたのが、4割台に上った。

本来の意味かすむ慣用句

 慣用句などの意味についても尋ねた。「枯れ木も山のにぎわい」は、本来の意味の「つまらないものでも無いよりはまし」と答えた人は37・6%。一方、「人が集まればにぎやかになる」と捉えていた人は47・2%に上った。若者から高齢者まで全ての世代で本来の意味を選んだ人の方が少なかった。逆に、2004年度調査では、本来の意味が38・6%で、「人が集まれば~」(35・5%)より多かった。

 「おもむろに」については、本来の「ゆっくりと」を選んだ人が44・5%。「不意に」という間違った意味を選んだ人も40・8%いた。特に40歳代以下では6割以上が誤解していた。また、「いよいよ、ますます」を表す言葉では、本来の「いやがうえにも」(34・9%)ではなく、「いやがおうにも」と回答した人が42・2%いた。

 一方、過去の調査よりも正しい理解が進んでいた言葉もあった。「企業が学生を早い時期に採用すること」を意味する言葉は、04年度調査では本来の「青田買い」を選んだ人が29・1%にとどまり、「青田刈り」が34・2%だったが、今回は本来の「青田買い」が47・4%と、「青田刈り」の31・9%より多かった。

 文化庁は「日常的に使われない慣用句では、文脈から意味を推察する機会が少なくなり、本来の意味がわからなくなっている。逆に過去の調査などで話題になり、本来の使い方が広まったケースもある」と分析。同庁は慣用句の意味を伝えるDVDを各都道府県教育委員会などに配布しており、「研修や授業などで活用してほしい」としている。
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