保育所等:認可外保育施設 ≒ 施設数で3:1、入所児童数で12:1

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厚生労働省が一昨日発表した「平成26年度 認可外保育施設の現況取りまとめ」によると、施設は増加したが、そのうちベビーホテルは減少し、入所児童数はともに減少した。概要は下の資料1・資料2の通り。

  これらと、保育所等(従来の認可保育所に加えて昨年4月から施行した幼保連携型認定こども園等の特定教育・保育施設と特定地域型保育事業(うち2号・3号認定))に係る直近のデータ(「保育所等関連状況取りまとめ(平成27年4月1日)」)を合わせると、いわゆる保育施設の数とそれを利用している児童数は次のようになる。

(1)保育施設の数・保 育 所 等:28,783ヶ所(平成27年4月1日時点)・認可外保育施設:  8,038ヶ所(平成27年3月31日時点)
(2)入所児童の数・保 育 所 等:2,373,614人(平成27年4月1日時点)(定員2,531,692人)・認可外保育施設: 201,530人(平成27年3月時点)

 昨年春の時点で、保育所等と認可外保育施設の比率は、施設数では保育所等が3倍強、利用児童数で約12倍となっている。これまでの保育行政の経緯からすると、社会福祉法人が主体となることが圧倒的に多い保育所等が、認可外保育施設を施設数でも利用児童数でも圧倒していることは、あながち理解できなくもない。
 保育サービス事業に関しては、法令上では株式会社やNPOにも参入の道が開かれている。だが、実際の運用は市町村に委任されており、市町村の裁量で社会福祉法人以外の事業形態を参入させないことが非常に多いようだ。

 政府の待機児童解消加速化プランは既に始まっている。現時点では、相応の成果が出ている。
 しかし、別の寄稿(☆1☆2)でも書いてきたことが、『潜在的な待機児童の数』は、厚労省の毎年調査による数万人単位ではなく、実際には数百万人単位でいると推定される。後から後から待機児童数が増えてしまう理由の一つは、待機児童の数の見積り方が実ニーズと相当ズレていることにあるからだ。
 認可保育所を含む保育所等であれ、認可外保育施設であれ、純粋民間事業ではなく、国家的な公共事業として改めて推進していく必要がある。

  だから、国家財政から所要資金を拠出しなければならない。将来の国を支える人を育てることは、公共投資そのものだ。

 所要財源は、高齢者向け予算のうち、特に年金・医療を削減していくことで捻出することが、消去法によって最善となる。社会保障費の枠内での財源調整しか選択肢はないであろう。少子高齢社会は、同世代間扶助で凌いでいくしかない。


<資料1:施設数の増減>
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(出所:厚生労働省「平成26年度 認可外保育施設の現況取りまとめ」)


<資料2:入所児童数の増減>
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(出所:厚生労働省「平成26年度 認可外保育施設の現況取りまとめ」)

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