独断!東京一「子育てしやすい街」はどこか 自然の豊かさや子育て支援以外の視点で判断


東洋経済オンライン
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「All About」で住みやすい街選びのガイドなどをやっている私は、「子育てに良い街はどこか」と頻繁に聞かれる。それに当たっては一般的にいくつかの視点があるが、それが必ずしも正しいとは限らない。

よく言われる「子育てに良い街」の視点

 最もよく言われるのが「郊外の自然が豊かな街」というもの。自然が豊かな場所なら、子どもは伸び伸びと外で遊び、健康的に育つと思うようだが、これは大きな勘違いだ。自然があっても、一緒に遊ぶ友達がいなければ、外で遊んでも安全な街でなければ子どもは外遊びをしない。田舎の海も山もある街でさえ、多くの子どもは室内でゲームをしていたりすることを考えれば、「自然がある=子育てに良い街」は不動産業者が郊外物件で、自然しかない物件を売る際の宣伝文句にしか過ぎないことがわかるはずだ。
 「子育てをしている世帯に手厚いサービスがある街」という視点もある。これで選ばれるのは東京都江戸川区のようにゼロ歳児を対象にした乳児養育手当や手厚い幼稚園授業料への助成、保育ママなど独自の施策のある自治体だ。東京23区のうちで高校生まで医療費助成を行っている北区や千代田区、駅から保育所への送迎サービスで注目された千葉県流山市なども同様に子育てに良い街としてしばしば取り上げられている。待機児童数が少ないことも重要とされるが、少ないと報道された翌年には入所希望者が押し寄せ、不足に陥ることもよくある話。長期的なポイントとは言い難い。
もうひとつ、「教育に熱心な自治体」という観点もある。知られているところでは2006年に全国に先駆けて小中一貫教育をスタートさせ、市民科その他、実社会に役立つ独自教育を行う品川区がある。また、英語ではなく、あえて日本語を独自科目として推進する世田谷区や、外国語指導助手や少人数教育推進教員、スクールカウンセラーなど手厚い人員配備で学力向上を目指す浦安市もよく名前があがる。子育て支援と教育、双方に手厚い自治体はあまり多くはないが、中にはどちらにも熱心な自治体もある。
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