突風でエア滑り台倒れる、児童ら11人けが


TBS News
------------------------------------------------------------------------------------------------
30日午後、神奈川県小田原市の児童公園でゴム製の滑り台が突風にあおられて倒れ、児童ら11人がけがをしました。

 春休みの最中、子どもたちでにぎわう公園で事故が起きました。滑り台が突風にあおられて倒れる瞬間の映像。高さ5メートルの滑り台が子どもたちを乗せたまま横倒しになり、さらに飛ばされていきます。30日午後2時ごろ、神奈川県小田原市の児童公園「小田原こどもの森公園わんぱくらんど」で、空気を入れて膨らませる滑り台が突風にあおられて横転。その下敷きになるなどして、1歳の女の子を含む子ども6人と大人5人がけがをしました。

 当時、小田原市内には強風注意報が出ていて、事故があった午後2時すぎには最大瞬間風速11.1メートルの強い風が吹いていました。

 「風は強い強い強い。風はこのくらいずっと吹いていて・・・あのでかいすべり台が飛ぶとは思わなかった」(当時園内にいた人)

 施設を管理する小田原市によりますと、滑り台は空気を抜いた状態で重さおよそ200キロ。20キロの重りを10個つけて固定していたということです。以前、この滑り台の係員として働いていた女性は・・・

 「(当時の滑り台には)穴が開いていた」
Q.古くて?
 「古くて。粘着テープとかでふさいでいたので元の状態よりは不安定だったと思う。風が強すぎたり子どもがジャンプしたりすると大変でした」(滑り台の係員として働いていた女性)

 空気を入れて使用するエア遊具をめぐっては、これまでも強風にあおられるなどして事故が起きています。2008年には、愛知県蒲郡市のレジャー施設でビニール製の遊具が強風にあおられて、中で遊んでいた子どもたちが外に投げ出され、3人が重軽傷を負いました。

 「ぶわーっとなって、かなり危ない状態だった。大人が40人くらい、一斉に皆で一生懸命、元に戻そうとしていた」
 「突風のあり方によっては、それは想定していなかった。けがをされたお客様には本当に申し訳ないという気持ち」(当時の担当者)

 また、海外では死亡事故も起きています。中国では去年6月、エア遊具が突風で吹き飛ばされ、3歳の女の子が死亡しました。

 「縄でちゃんと固定したよ。あそこに残っているでしょ。石に巻きつけた縄が全部切れたんです」(施設の経営者)

 業界団体の日本エア遊具安全普及協会では、安全に使用するために自主的にガイドラインを定めています。それによりますと、10メートルを超える強風の場合、利用者を退場させ、運営を中断するなどとしています。

 「屋外での事故原因では一番風によるものが多くて、平均ではなくて瞬間にどれだけ(風が)吹いたかによって大きくリスクが変わる。すぐ風速がわかる器具を置いて、それを見ながら運営してくださいと」(日本エア遊具安全普及協会 栗橋寿代表理事)

 今回、事故があった小田原の公園でも、風速10メートルを超えた場合は使用を中止するというマニュアルがありましたが、風速計を設置していませんでした。6~7人の係員がそばにいて、風が強くなってきたため、使用を中止しようとした矢先に突風にあおられたということです。(30日23:05)
------------------------------------------------------------------------------------------------