「子どもできたら退職」42.1% 平日の育児、男女で6時間以上の差 県意識調査 /山梨

4人家族のイラスト(カラー)


毎日新聞
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女性が職業を持つことについて、「子どもができたら職業をやめ、大きくなったら再び職業をもつ方がよい」と考える人は42・1%で、「子どもができても、ずっと職業を続ける方がよい」の34・5%を上回っていることが、県の調査(2015年度)で分かった。全国の同様の調査(14年度)で「職業を続けるほうがよい」と答えた割合に比べると、約10ポイント低かった。【後藤豪】
     男女共同参画に関する県の調査は00年に始まり、5年ごとに行っている。今回は昨年9月〜10月にかけ、県内に住む男女3000人を対象に実施。有効回収率は48・2%(1446人)だった。
     女性が職業を持つことについて10年度調査と比較すると、「職業をやめ」が3・5ポイント減る一方、「職業を続ける」は3・2ポイント増えた。しかし、14年度の内閣府の「女性の活躍促進に関する世論調査」の同じ質問だと、「職業を続ける」(44・8%)が「職業をやめ」(31・5%)を大幅に上回り、傾向が異なる。
     1日のうち、家事、育児に費やす時間は平日、休日ともに女性の方が長かった。特に平日の育児では、女性が7時間19分だったのに対し、男性は1時間17分で、6時間以上の差があった。休日の男性は、育児時間が5時間36分で、家事時間(1時間33分)に比べ3倍以上の開きがあった。
     「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきだ」との考え方に対して反対は42・5%で賛成(39・9%)を上回った。前回調査と同様の傾向で、今回は、賛成、反対とも前回より割合が減ったものの、「反対多数」の傾向は変わらなかった。男女別でみると、男性は賛成(43・6%)が反対(39・0%)より多かったのに対し、女性は反対(45・4%)が賛成(36・9%)を上回った。
     「各分野で女性のリーダを増やすときに障害となるもの」(複数回答)では▽保育・介護・家事などにおける夫などの家族の支援が十分ではない(男性43・2%、女性43・8%)▽保育・介護の支援などの公的サービスが十分ではないこと(男性40・9%、女性43・8%)−−などが上位を占めた。
     県県民生活・男女参画課は「データを精査して今後の県の施策の参考にしたい」としている。

    ■女性が職業を持つことについて(上位項目)
    ・子どもができたら職業をやめ、大きくなったら再び職業をもつ方がよい…42.1%(31.5%)
    ・子どもができても、ずっと職業を続ける方がよい……………………………34.5%(44.8%)
     ※カッコ内は、全国の同様調査(2014年度)の数値
    ■「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきである」との考え方について
     賛成    39.9%(40.6%)
     反対    42.5%(45.7%)
     分からない 15.3%(12.8%)
     無回答    2.4% (1.0%)
     ※カッコ内は前回(2010年度)の数字
    ■1日で家事や育児に費やす時間
     <平日> 家事     育児
     男性   1時間5分  1時間17分
     女性   4時間2分  7時間19分
     <休日> 家事     育児
     男性   1時間33分 5時間36分
     女性   4時間29分 9時間41分
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