幼稚園の空き教室、保育室に改装…奈良・香芝

ジャングルジム(カラー)


読売新聞
------------------------------------------------------------------------------------------------
 奈良県香芝市は、施設に余裕のある市立幼稚園の空き教室を保育室に改装し、4月から市立保育所の分園として1~2歳児20人を受け入れることにした。

 待機児童の増加が全国で問題になる中、同市でも保育所への入所希望者が定員を大幅に上回り、待機児童数が前年の10倍の61人(1月末現在)に急増。幼稚園の改装は窮余の策だが、全員には対応しきれないのが現状だ。
 同市には市立保育所が5園あり、定員は計766人。待機児童は例年10人未満で、2015年度も6人(昨年4月1日現在)だった。
 ところが昨年11月に16年度の入所希望を受け付けたところ、希望者が殺到。待機児童は1歳児37人、2歳児24人の計61人に上った。

 そこで市は、空き教室がある市立鎌田幼稚園の1室を保育室に改装し、市立五位堂保育所の分園として1、2歳児各10人を受け入れることを決め、3月定例市議会に関係条例案を提案。議会側は「説明責任を果たして保護者の理解を得るように」との付帯決議を添えて可決した。
 市は保育士7人を新たに雇用。カーペット敷きの保育室(約65平方メートル)にエアコンを設置し、調乳やおむつ交換ができる設備も整える。改装費は550万円。早ければ5月初めにもスタートさせる見通し。
 市子ども支援課の担当者は「待機児童への関心が高まり、『早く申し込まないと保育所に入れなくなる』という危機感が広がっているのでは」と、希望者急増の理由を推測する。
 一方、市立幼稚園は9園の定員計1645人に対し、利用者は704人にとどまり、空き教室が増加。所管する市教委学校教育課は「施設を待機児童の解消に役立てたい」としている。(山本哲生)
------------------------------------------------------------------------------------------------