子育て支援拡充提言 歳出削減で財源

離乳食を食べる赤ちゃんのイラスト(カラー)


毎日新聞
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政府の経済財政諮問会議で、民間議員が国内総生産(GDP)600兆円の実現に向けて、「成長と分配の好循環」に政策の重点を置くよう提案した。国や地方自治体が歳出改革で捻出した財源を地域の子育て支援拡大に還元する仕組みづくりなどを求めたもので、6月にもまとめる経済財政運営の指針「骨太の方針」にどう盛り込まれるかが注目される。
     提案は(1)結婚・出産・子育て支援など(2)成長戦略の加速(3)個人消費の喚起(4)成長と分配をつなぐ経済財政システム構築−−の4本柱で構成。安倍晋三首相は会合で「骨太方針に大胆かつ説得力のある施策を盛り込む」と述べ、関係閣僚に具体策の検討を指示した。提案は、議論のたたき台になるほか、一部は政府の経済対策にも盛り込まれる見通しだ。
     結婚や子育て支援では、第2子以降への支援の拡充や保育の受け皿拡大、保育士の継続的な賃上げ、子育て世帯への空き家の低家賃提供などを検討するように求めた。
     経済財政システム構築では、税収増や歳出削減などアベノミクスの成果を「1億総活躍」や健康長寿の実現に活用すべきだとして、歳出削減で得た財源を地域の子育て支援に充てる策などを検討するよう要請した。
     また、行政手続きについて、申請などが許認可されるまでの期間の短縮や書類の削減を進めるための質と効率の2割改善を求めた。
     個人消費の喚起については、首都圏や関西圏などに偏りがちと指摘される訪日外国人客を地方にも呼び込むため、地方に乗り入れる格安航空会社(LCC)や大型旅客船の発着拡大に向けた設備などの条件整備の必要性を指摘。額面を上回る買い物や旅行ができる「プレミアム商品券・旅行券」の発行も検討するよう提案した。【川俣友宏、横山三加子】
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