「こども食堂」19日始動 食べる喜び体感 函館の鈴木さん発案

19日のスタートに向けて打ち合わせをする「こども食堂」の実行委=八百屋すず辰



北海道新聞
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 【函館】大勢でごはんを作り、食べる楽しさを子どもに提供する場「こども食堂~つくってたべよ いっしょにたべよ~」が19日、函館市本通1の本通町会館でスタートする。市内と近郊の自営業者や会社員らでつくる実行委員会が準備を進めており、発案者で実行委代表の鈴木辰徳さん(39)=八百屋すず辰(たつ)店主=は「子どもたちが地域の大人たちと関わりながら、食べる喜びを感じる場になれば」と話している。
 こども食堂は19日以降、毎月第3木曜日の午後4時~7時、同会館を会場に開く。会員制で、会員となった子どもたちが実行委のメンバーと一緒に汁物1品とおかず3~4品を作り、午後6時ごろから一緒に食べる。参加費は4歳から小学生100円、中学から大学生200円、保護者は500円。未就学児は保護者同伴で、小学生は保護者の迎えが必要。
 開設のきっかけは、八百屋を営む鈴木代表が昨年、食事に事欠く子どもが増え、首都圏などを中心に「こども食堂」を開く動きが広まっていると知ったこと。厚生労働省の調査では、国内の18歳未満の子どもの6人に1人が貧困(平均的な世帯所得の半分未満の世帯で暮らす)状態とされ、3児の父でもある鈴木さんは「仕事で食品を扱い、子どもたちに食べて喜んでもらいたいと思っているのにショックを受けた」と話す。
 鈴木さんが今年1月、北海道新聞地域情報版「みなみ風」のコラム「立待岬」に「こども食堂をやりたい」と書いたところ、多くの賛同者が集まり、実行委が発足。現メンバー約20人はメニューなどについて打ち合わせを重ね、4月21日には同会館で予行演習をして作業の流れを確認した。
 趣旨に賛同した道南の農家から米や野菜の提供もあり、鈴木さんは「普段両親が忙しく、1人でご飯を食べている子どもも一緒に、楽しく食べてほしい」と話す。参加希望者は八百屋すず辰に備え付けの申込書で、開催日前日の午後5時までに申し込む。会員登録後も参加の都度、申し込みが必要。問い合わせは実行委(八百屋すず辰内)(電)0138・76・9865へ。(押野友美)
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