子どもたちの通夜にたる爆弾、16人死亡と人権団体 シリア


CNN Japan
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(CNN) シリア政権軍と反体制派の攻防が続く北部アレッポでこのほど、ドラム缶に火薬や金属片を詰めた「たる爆弾」が使用され、在英の非政府組織(NGO)「シリア人権監視団(SOHR)」によると少なくとも16人が死亡した。
27日にたる爆弾が投下された現場は反体制派の支配地域。25日にも同じ地域にたる爆弾が投下され、SOHRによると子どもを含む15人が死亡していた。27日の攻撃は、子どもたちの通夜に集まった人々を直撃した。
近くで通夜を撮影していたという活動家団体「アレッポ・メディアセンター」のメンバーは、上空のヘリコプターに気付いて地下の避難所に隠れた。外へ出た時には土煙が一面に立ち込め、遺体が散乱していたという。
この活動家によると、1発目のたる爆弾で参列者らが地下の避難所へ向かったとみられる。その入り口付近に2発目が投下されて被害が拡大した。
25日のたる爆弾で死亡した子どもの数は、アレッポ・メディアセンターが5人と伝えたのに対し、SOHRは11人に上ったと報告している。
活動家らが公開した25日の映像には、現場での救出、捜索作業の様子が映っていた。「5人の子どもを失った」と嘆く父親や、息子の遺体に語り掛ける母親の姿もあった。
国際人権団体アムネスティ・インターナショナルが昨年報告したところによると、アレッポでは2014年、たる爆弾で3000人以上の市民が死亡した。同団体はシリア政権軍が11年以降の内戦でたる爆弾を多用していると訴えたが、アサド大統領は当時のインタビューでこれを全面的に否定した。
アレッポの戦闘は数週間前から激化している。SOHRによると、同市周辺では今月に入って先週までに子ども100人を含む448人が死亡した。国際赤十字はアレッポが人道危機に陥る寸前だと警告している。
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