保育士確保へ貸付制度 福岡県が運用、問い合わせ相次ぐ [福岡県]


西日本新聞
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待機児童の解消に向けて保育士の確保や離職防止が課題となる中、県は九州7県で初めて、保育士を手助けする「保育補助者」を雇う保育所に年最大295万3千円を最長3年間貸し付け、補助者が保育士資格を取得すれば返還を免除する制度を運用している。保育士の負担を軽減し保育の質を高めるのが狙い。保育士資格を持ちながら勤務していない「潜在保育士」の就職支援資金の貸付制度とともに6月下旬から申請受け付けを開始。8月17日現在で計62件の問い合わせが寄せられている。

 県子育て支援課によると、保育補助者の雇用費や潜在保育士の就職支援資金の貸付制度は、いずれも厚生労働省が今年新設した制度(国の補助率9割)を活用。福岡、北九州両政令市を除く県内の施設や、同地域の保育所などで新たに勤務する人が対象となる。

 保育補助者の雇用費貸し付けは、保育所や認定こども園で働いた経験がある人や、子育て支援員研修修了者などが補助者の要件となる。同課は「保育士の負担を減らして職場環境を改善し、離職防止につなげたい。ぜひ制度を活用してほしい」と呼び掛けている。

 潜在保育士の就職支援資金貸し付けは、(1)未就学児のいる潜在保育士(産休や育児休業から復帰する人を含む)に子どもの保育料の半額(上限月額2万7千円)を最大1年間貸し付ける制度(2)保育士資格取得後1年が経過し、保育所を離職後1年以上経過した人(保育所に勤務経験のない人を含む)に就職の準備に必要な資金(最高20万円)を貸し付ける制度-の2種類がある。いずれも、県内の保育所などで2年間勤務すれば返還を免除する。
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