潜在保育士に復帰願うDM 北九州市が6000人へ発送開始 待機児童の解消狙う [福岡県]


西日本新聞
------------------------------------------------------------------------------------------------
全国的な課題となっている待機児童の解消に向けて、北九州市は22日、保育士資格を持ちながら現在は現場で働いていない市内在住の「潜在保育士」約6千人に、保育所への就職を呼び掛けるダイレクトメール(DM)の発送を始めた。

 DMでは、市が設置した無料職業紹介所「保育士・保育所支援センター」(小倉北区浅野)の存在や、保育現場への就労支援に向けた貸付事業も説明し、新規就職・復帰を訴える。

 市は2011年度以降、4月1日時点の「待機児童数ゼロ」を6年連続で達成。ただ、年度途中の保育所入所では待機児童が発生しており「必要な保育士を確保できないため、保育所側が断るケースが多い」(市)という。今年3月1日時点の待機児童は283人で「全員が0歳児と仮定すれば、保育士は約100人足りない計算になる」(市)。

 人材確保のため、市は昨年4月に支援センターを開設したが、今年7月末の登録者は求人数の半分以下の44人にとどまった。市は「期待に応えられていない」として保育士名簿を管理する県から、市内在住者のデータを入手。うち「保育士資格はあるが勤務経験なし」「保育所で以前働いていたが家事・育児で辞めた」約6千人に、センターへの登録をDMで呼び掛ける。

 就労促進のための貸付事業は「保育士として1年以上働いていない人」などが対象。就労すれば、(1)就労者の未就学児保育料の半額(上限月額2万7千円)を最大1年間貸し付け(2)就職準備金(最高20万円)を貸し付け-の二つがあり、いずれも保育所などで2年以上働けば返済免除となる。

 市保育課は「できる限り支援するので、保育の現場で働く夢をもう一度実現してほしい」と呼び掛けている。
------------------------------------------------------------------------------------------------