施設使用や学童保育値上げへ 江南市、来年度以降段階的に


中日新聞
------------------------------------------------------------------------------------------------
江南市は二十四日、グラウンドなど市内四十七カ所の公共施設の使用料や、学童保育の利用料などを来年度以降、段階的に値上げする方針を明らかにした。厳しい財政状況の中で、利用者に応分の負担を求める。公共施設の利用料の大幅改定は一九八一年度以来、三十六年ぶり。

 関連の議案を九月の市議会定例会に提案する。住民サービスに大きく影響するだけに、議論を呼びそうだ。

 市の案によると、値上げされる公共施設のうち布袋ふれあい会館は、競技場の使用料が現在は二時間無料だが、来年度は六百九十円に。市民スポーツなどで夜間に開放している各小中学校の体育館の使用料は、現在の五百二十円から来年度は倍近い九百六十円になる。

 住民票といった証明書類発行などの手数料も、三十二種類について値上げ。住民票は現在の一枚二百円から来年度は三百円になる。

 公共施設と証明書の発行などを合わせ、無料から有料化するサービスは五十八項目に上る。金額は職員の人件費やサービスの必要性、公共性などを考慮して算出。利用者の急激な負担増を防ぐため、値上げは一七年度、二二年度、二七年度の三段階に分け、その都度、見直す。

写真
 行政経営課の担当者は「サービスを利用しない市民との公平性に配慮した」と話した。

 また、共働き世帯などの児童が放課後に通う学童保育所について、通年で一人一カ月二千五百円だった利用料を、一九年度までに四千円に引き上げる。現在は通年で同じ金額だが、夏休みで利用時間が増える七、八月は他の月よりも高くする。

 子育て支援課によると、学童保育所の利用が増える中、運営の安定化を図る。市内十カ所の学童保育所で将来、対象児童を現在の小学三年生以下から同四年生以下に引き上げる方針で、増加する費用を確保する狙いもあるという。

◆利用の親から低所得者助成求める声も

 学童保育所の利用料引き上げ案について、実際に利用する市内の保護者からは理解を示す声が上がる一方、低所得者への配慮を求める声もあった。

 小学一年生の娘を預けている女性会社員(30)は「値上がりしてでも、六年生まで見てもらえる方が安心」。二年生の息子が通う会社員の母親(47)も「(入学前の)保育園の時に比べれば安い。先生も大変だと思う」とうなずく。

 一方、一年生の息子を預ける病院職員の母親(34)は「値上げの詳しい理由が分からないので、まだ何とも言えない」としながらも、「低所得者には助成などがあればいいのでは」と提案した。
------------------------------------------------------------------------------------------------