残業未払い、休憩なし…介護士や保育士が悲鳴


河北新報
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労働組合「総合サポートユニオン介護・保育支部」(東京)は、介護士や保育士を対象に仙台市で7月末に実施した電話相談の結果をまとめた。残業代未払いや過重労働などの相談が県内外から10件あり、支部は「業界の労働条件の改善が必要」と指摘する。
 県北のデイサービス施設で働く50代の介護福祉士は、休みを月8日から5日に減らされ、夜勤で休憩が取れなくても2時間取ったことにされると訴えた。残業代は「本人の能力不足のため」と支払われず、辞職を申し出ると「損害賠償請求する」と脅された。
 県内の50代の女性保育士は、毎日2~3時間の残業をしているのに、残業代は支払われていないと申し出た。休憩も取らせてもらえず、上司に相談したが聞いてくれないという。
 仙台市の保育所で働く30代の男性からも、月に100時間近く残業しているが残業代が払われないといった相談があった。
 介護施設や保育所は一定数の職員を配置する基準があるため、職員が減れば受け入れ可能な定員を減らさざるを得ない。過重労働で職員が退職を願い出ても、辞めさせないケースも多いという。
 支部は「職員不足で現場の負担がより過重になる悪循環を招いている。命を支える担い手の労働環境が崩れている」と指摘。「現状を変えるため、ぜひ相談してほしい」と呼び掛けている。
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