相次ぐ事故 子どもの手離さないで 県警呼び掛け


新潟日報様
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県内で今月、幼児が車にはねられるなどして亡くなる事故が相次ぎ、県警などが注意を呼び掛けている。県警は安全教育に力を注ぐが、子供はいきなり路上に飛び出すなど予測できない行動を取るため、事故防止にはドライバーや保護者の配慮が強く求められる。有識者らは「走行中も駐車時も周囲の確認を徹底してほしい」と訴えている。

 県内では11月上旬、上越市の商業施設の駐車場で2歳男児が、小千谷市の会社兼住宅の敷地内で1歳の女児がそれぞれ亡くなった。幼児2人を含め5~11日に交通事故の死者が6人に上ったため、県は12日に「交通死亡事故多発警報」を出した。
 県警交通企画課によると5歳以下の車外事故は、今年は9月末までの死傷者数が10人に上り、昨年1年間の9人を超えた。被害は2歳から急増。2013年~15年の事故の状態別では、飛び出しが23件と圧倒的に多く、路上での遊びなどその他が10件、横断中が7件と続いた。
 県警は子供向けの安全教室を毎年30回ほど実施。10、11日には阿賀野市で保育園児ら計約270人に交通ルールを教えた。「幼いうちから身を守る意識を持たせたい」と同市交通安全協会の吉岡直事務局長(70)。自身の孫にも「車が動いている時は自分が動かないよう言い聞かせている」という。
 一方、幼児の事故防止を主眼とした講習会などはなく、大人は各自で安全運転を徹底するしかない。
 親子連れが多く訪れる商業施設では、駐車場での事故防止に悩む。新潟市のある施設の担当者は「平気で駐車スペースを横切る車を見掛けるが、誘導員では目配りしきれない」と話し、運転者の配慮を求める。
 交通心理学に詳しいNPO法人交通新時代新潟の長塚康弘理事長(81)=新潟大名誉教授=は「発車前は車の回りをじかに確認し、運転中は周囲の状況が一瞬で変わると思って注意してほしい」と語る。
 無事故の人は「今まで大丈夫だったからと油断しがちだ」とドライバー心理を指摘し、特に一時停止を徹底するよう説く。保護者に対しては「特に危ない場面では、子供の手を離さないでほしい。手首をつかむと振り切られることがない」と呼び掛けている。

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