待機児童解消なるか、保育士の待遇改善へ


TBSニュース様
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 「保育園落ちた日本死ね」、というフレーズに象徴されるように今年は「待機児童」が社会問題となりました。政府は、22日、保育士の待遇改善のために1100億円を盛り込んだ来年度の予算案を閣議決定しました。待機児童問題の解消に果たしてつながるのでしょうか。
 人気ブランドの化粧品が並ぶのは百貨店の化粧品売り場ではなく、大手の保育施設を運営する会社が主催した保育士の就職説明会です。
 「いちばん学生に響くのは園見学バスツアーです。交通費も往復分支給させていただいて、ぜひ当社の保育園を見ていただきたいと」(日本保育サービス 野間祐太郎さん)
 来場者には化粧品がプレゼントされるなど、あの手この手の保育士勧誘作戦。その理由は圧倒的な保育士不足です。
 「(以前は)ハローワークで求人を出せば確保できた状態だったんですけど、圧倒的に今は採用が厳しい状況にはなっています」(グローバルキッズ採用担当 宮城修一さん)
 保育士の有効求人倍率は、今年10月時点で東京でおよそ5.3倍。保育士の求人5人分に対して、成り手はわずか1人です。
 21日、神奈川の保育園を訪れたのは、来年、短大を卒業する保育士志望の学生。現役の保育士から説明を受けた後、採用担当者が面談し、学生の疑問や不安に答えていました。
 最大の不安は、給料に関する不安でした。
 「給料が低い。保育士を目指す学生自体も減ってきている」(日本保育サービス採用担当 白石茜さん)
 保育士の月収は平均で21万9000円。全業種の平均と比べ、月額10万円ほど低いのです。この格差を解消しようと、22日閣議決定された来年度の予算案に保育士の待遇改善策が盛り込まれました。国と地方であわせて1100億円の公費が当てられ、保育士の給料が2%、月額6000円ほど上乗せされることになりました。
 さらに、経験年数が3年以上では月額5000円、7年以上では月額4万円が上乗せされることになります。
 「やっと保育士としての仕事が評価されたと感じた」(12年目の保育士)
 「お給料をあげようという見通しをたててくれるのは嬉しいが、5000円じゃ変わらない」(3年目の保育士)
 果たして、待遇改善は保育士不足の解消につながるのでしょうか。(22日16:05)
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