学童保育、低所得層は無料 福岡県方針、運営市町村に助成


西日本新聞様
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福岡県は生活が困窮している家庭を対象に、新年度から小学生の放課後児童クラブ(学童保育)の利用料を減免する方針を固めた。学童保育を運営する市町村と協議し、対象世帯は原則無料にしたい考えだ。経済的事情で子どもが学び、育つ機会を失うのを防ぐとともに、保護者が放課後の時間帯も仕事をしやすい環境をつくる。
 利用料を減免するのは、住民税非課税の低所得世帯や、就学援助を受けている世帯。県は市町村に学童保育経費の半額を上限に助成する方向で、2017年度予算案に約9千万円を計上する。市町村の6割程度は利用料を減免しており、県は残る市町村にも促す。
 九州では、大分県と長崎県が生活保護世帯などを対象に利用料の減免措置を取っている。低所得世帯の無料化を県全域に広げるのは全国でも珍しい。
 学童保育を利用する児童は全国的に増えており、15年度に初めて100万人を超えた。福岡県では15年度に約5万2千人を数え、5年間で1万人以上増えている。一方で、毎月2千円から7千円ほどの利用料の支払いが負担になって「利用を諦める家庭もある」(県の担当者)という。
 学童保育は学校や児童施設に併設され、児童は指導員に見守られながら遊んだり、勉強をしたりして過ごしている。県幹部は「経済的理由で子どもの健全育成の機会が奪われてはならない」と話す。利用料の減免には、保護者が働きやすい環境を整え、子どもの貧困を防ぐ狙いもある。
 厚生労働省によると、学童保育を希望しても利用できない児童は全国で約1万6900人(15年度)。4年連続で増加し、潜在的にはもっと多いとみられる。放課後の預け先がなく、保護者が子どもの小学校入学をきっかけに仕事を辞める「小1の壁」も問題になっている。
=2017/01/06付 西日本新聞朝刊=
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