AIロボを活用し英語教育 埼玉大付属幼稚園で実証実験 個人個人の能力に合わせ学習支援


産経ニュース様
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 埼玉大教育学部付属幼稚園で29日、人工知能(AI)を搭載したロボットを使った英語教育の実証実験が行われた。国内では産業分野でAIの活用が広がっているが、教育分野での普及が進んでいない。教育現場でAIを活用した取り組みは珍しく、埼玉大の取り組みが成功モデルとなり、全国に広がる可能性もある。(黄金崎元)
                   
 「かわいいロボットとおしゃべりできて、楽しかった」と笑顔で話すのは岸井果歩ちゃん(5)。
 実証実験には埼玉大の教授や学生、年長クラスの園児29人が参加。広い教室にはかわいいロボットが置かれ、園児らが興味津々の様子で英語で話しかけた。園児1人に1台のロボットをあてて、埼玉大の学生らが寄り添い、10~15分程度、簡単な英語でやりとりを行った。
 AIがロボットのタッチパネル画面に「りんごはアップルって言うんだよ。英語で言ってみよう」と表示すると、園児らはマイクに向かって、元気な声で「アップル」と答えた。
 実証実験で使ったのはロボット開発を手がけるタケロボ(東京都中央区)のロボット。埼玉大とタケロボは教育現場で新たな学習支援ツールを作るため共同研究を行っている。今回の実証実験もその一環だ。
 教育現場のAI活用について、研究責任者の埼玉大の山本利一教授は「これから個人個人の能力に合わせた学習支援が行えるようになる」と話す。例えば、今回の対話型ロボットを使った園児がどこで間違えたのか、データを蓄積することで、最適な出題やアドバイスを個別に行えるという。
 これまでは1人の先生が複数の生徒を指導してきたが、AIを活用すれば、効率的に個人に合った指導ができる。山本教授は「データを蓄積して会話のパターンを増やし、今年度中にロボットを製品化したい」と意気込む。小学校1、2年生向けの展開も視野に入れている。国内の教育現場では最先端技術に精通している教員が少なく、AIの活用が遅れているとされる。すでに米国ではAIを搭載した学習支援ツールが広がっているという。
 埼玉大の実証実験は始まったばかりだが、改善を重ね、ロボットの精度が上がれば、全国に広がる可能性もあり、今後の展開が注目される。
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