長野に訪問型病児保育 NPOが9月サービス開始


信濃毎日新聞様
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 長野市のNPO法人「えんまる」が9月、病気の子どもがいる家庭に保育士を派遣し、親に代わって保育をするサービスを市内で始める。県や市への届け出によると、訪問型の病児保育を専門にするのは県内で初めて。共同代表理事の岩間千佳さん(39)=長野市安茂里=は、市内の保育園と幼稚園に11年間勤め、現在は男児2人を育てている。「子育てしながら働く親の、心の支えになりたい」と張り切っている。

 岩間さんは園に勤務していた頃、子どもが病気になった時の親と子どもの大変さを目の当たりにした。自分も子を育てるようになり、「市内には病児、病後児の保育施設はあるけれど他の子どもと一緒で二次感染が心配」との声を聞いた。実際、一室で複数の子どもが過ごすため、別の病気をうつされてしまうこともあるという。

 人件費や交通費などで比較的高額にはなるが、困っている親を助けるために訪問型病児保育に取り組もうと決意。東京や大阪で先進例があるため、参考にしながら2014年、NPO法人を設立した。

 訪問スタッフは、実務経験が10年以上ある保育士か幼稚園教諭の資格を持つ人とし、現在は岩間さんを含めて2人。長野市街地を中心とした区域が対象エリアで、対象年齢は6カ月から小学6年生まで。はしかを除き全ての病気に対応する。子どもの症状が急変した場合に対応してもらえる医療機関も探す。

 会員になれば、当日でも依頼でき、保育時間は平日の午前8時から午後5時半まで。認可外保育施設として市に届け出て、定期的な立ち入り調査を受ける。

 入会金1万2千円、次年度からは更新費として4千円が必要で、利用料は1時間1500円。他に、月会費が利用頻度に応じて1500〜5500円かかる。会員になる前に、試しで2回まで利用できる。いずれも税別。病児保育できる病状かどうかは、依頼する前に医師に診断してもらう。

 来年3月末までを準備期間と位置付け、需要が多いようなら訪問スタッフの人数を増やす予定だ。ひとり親家庭は安価で利用できるようにする構想もあり、財源となる寄付金を募るほか、社員の福利厚生としての法人契約も歓迎する。申し込み、問い合わせは、えんまる(電話070・4353・8848)へ。 


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