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幼稚園教員、保育士の採用に強い大学は、1990年以降に開学した比較的新しい大学が多い。発売中の「大学ランキング2018」(朝日新聞出版)から、それぞれのトップ100大学の顔ぶれを紹介し、その理由をさぐる。
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「大学ランキング」誌では、幼稚園教員と保育士の採用について、2006年からのデータを毎年掲載している。
2016年までの採用実績を振り返ると、保育士は11年連続で聖徳大(千葉)がトップ。幼稚園教員でも2012年を除くすべての年で聖徳大が1位となっている。
聖徳大が幼児教育に強いのは、大学の成り立ちと関係する。
大学の開学は1990年だが、母体となったのは、1965年に開設した聖徳学園短期大である。やがてここは首都圏随一のマンモス短大となった。80年代には同短大の保育科の定員が1学年600人を数え、他の短大を圧倒していた。
だが、90年代後半以降、短大は冬の時代を迎える。聖徳学園短期大でも、現在、保育科の定員は350人となった。短大から差し引かれた分の250人を引き継いでいるのが、聖徳大の児童学部である。同学部の定員は、これに350人を加えて600人。4年制大学で幼稚園教員、保育士を養成する学部としては、群を抜く。
聖徳大では母体の短大時代から、地元の松戸市を中心に、幼稚園、保育園に多くの卒業生を送り出してきた。今日まで大きなネットワークを築くこととなり、毎年100%に近い就職率につながっている。
自慢はピアノ教育である。ピアノの保有台数は384台、練習用の個室は155室。音楽大並みか、それ以上の環境だ。「初心者でも弾けるように」と指導は厳しいが、ピアノを弾ける幼稚園教員、保育士が求められる教育現場では「聖徳ならば安心」と評判は上々である。保育士11年連続トップの実績は、“数の論理”だけではなかった。
幼稚園教員、保育士採用の上位校には、1990年以降につくられた大学も多い。聖徳大のほかに、十文字学園女子大(埼玉)、東京聖徳大、白梅学園大、東京福祉大、目白大(以上、東京)、名古屋学芸大、桜花学園大(以上、愛知)など。全国的な知名度は低いが、地元ではしっかり根づいている大学ばかり。いずれも母体、起源となった短大、専門学校での幼稚園教員、保育士養成の実績が花開いたわけだ。
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