墨田の企業が群大と開発 保育ロボ、園児見守る


東京新聞様
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 保育園の事務支援システムなどを手掛ける情報通信企業「ソーシャルソリューションズ」(墨田区)が、保育ロボット「VIVO(ビーボ)」を群馬大の協力で開発した。十月から群馬県太田市の保育園で実証実験を始める。昼寝中の園児の健康状態に異常がないか自動チェックする機能などがあり、保育士の労務を軽減できるという。 (原田晋也)
 同社は都心部での保育事業などを手掛けるグローバルブリッヂホールディングス(墨田区)の傘下にある企業。同社の貞松成(じょう)社長と清水聖義(まさよし)市長らが五日、市役所で会見し発表した。
 多くの保育園では二時間程度の昼寝を取り入れており、保育士は園児に異常がないか頻繁に確認している。VIVOは園児のベッドや布団の下に敷いたシート状のセンサーから情報を集め、園児の心拍や呼吸に異常がないか、勝手に起きていないかなどを確認。異常があればタブレット端末に情報を送り、保育士に知らせる。一台で園児三十人分をチェックできるという。
 このほか、キーホルダーを近づけることで園児を特定し登降園時間を記録する機能や、鼻の部分にあるサーモグラフィーで園児の体温を測る機能がある。首や手を動かせるが、歩くことはできない。耳のスピーカーから「おはよう」「体温を測ろう」といった音声を流すこともできる。
 高さ約七十センチ、重さ約十二キロ。太田市在住のデザイナー片岡達也さんがクマをモチーフにデザインを手掛けた。基本色はマリンブルーで、白や赤もある。来年四月に台数を限定して発売予定で、センサーを含めた価格は四百万~五百万円を想定している。
 貞松さんは「現在、約十八万人の保育士が毎日二時間、子どもの昼寝のチェックをし、計三十六万時間が使われている。これが全てロボットに置き換われば保育士五万人分以上の働きをする計算になる。再来年の四月には大量生産のめどをつけ、全国や海外に売り出したい」と語った。

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