保育士の待遇や採用年齢改正

幼稚園の散歩のイラスト
東日新聞様
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 蒲郡市は、保育士を安定的に確保するため、採用年齢の引き上げや、常勤と同程度の待遇とする「任期付保育士」制度を新設するなどして子育て環境を整えている。保育体験ができるプログラムも開催し、長期的な人材確保に取り組んでいる。担当者は「保育の質を高めて、サービス向上に努めたい」と話している。

働く条件変えてスキルアップに期待
 市は2016年度から採用試験の制度見直しに着手。正規保育士の応募可能年齢の上限を、28歳から39歳へと引き上げた。その結果、同年度と17年度の2年間の採用試験には、29~39歳の計10人から応募があった。

 来年度からは「非常勤保育士」の制度を改正。「任期付保育士」として採用し、保育士の確保を図る。非常勤の勤務時間は最長6時間45分で、手当や賞与は支払われていなかった。「任期付」は、正規職員と同じ勤務時間、給与体系となる。1年ごとに契約を更新して最長3年間、正規職員と同じ待遇で勤務する。

 17年9月時点での非常勤の保育士は42人。今年4月からは、41人が任期付保育士として保育業務を担う。担当者は「働く条件を変えることで責任感が高まり、職員のスキルアップにもつながる」と効果に期待を寄せる。

 市は昨年から「保育士就職支援プログラム」を開催。市内の保育園で業務を体験してもらい、現役職員と話し合う時間も設けて、仕事ぶりを紹介した。保育士の資格を有しながら勤務経験のない「潜在的保育士」や、保育業務に興味を持つ学生などの参加を募った。その結果、参加者7人のうち3人が、時間給で働く「臨時保育士」としての採用につながった。

 市ホームページでは、園ごとに臨時保育士が必要となる時間帯を一覧で掲載。必要な求人情報を広報している。16年度の臨時保育士の新規登録は、例年の約2倍となる29人となり、一定の効果が表れている。

 同市内には、16園に0~5歳児約1200人が通い、約300人の保育士が業務に携わっている。市は、2月にも「就職支援プログラム」を開く。資格の有無や居住地は問わず、幅広く参加者を募集。来年度もプログラムを開き、蒲郡市の子育て環境のPRにも努めていく。

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