保育園に比人英会話教師 マミー・インターナショナル、現地で育成し派遣 日本でも研修

英語のスピーキングのイラスト
産経ニュース様
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 県内や東京都内などで計約20カ所の保育園や学童施設などを運営する「マミー・インターナショナル」(横浜市)は今春、フィリピンで育成した現地スタッフを日本の保育園向けの英会話教師として派遣する事業を開始する。幼児期に英会話に触れさせたいとする保護者のニーズに応えたもので、「将来的には年間100人を派遣したい」(伊藤勝康社長)と意気込んでいる。(川上朝栄)

 同社は平成28年9月にフィリピン・マニラ近郊で日本人駐在員家族を対象にした幼稚園を開校。さらに、同駐在員の子供ら向けに日本の有名高校受験対策プログラムを設けた学習塾や、現地のフィリピン人向けとして、日本語学校や書道、空手、剣道などを教えるカルチャースクールなども展開している。

 ◆全国から問い合わせ

 これらフィリピンでの事業展開で築き上げたネットワークを活用して、現地採用したフィリピン人スタッフに、日本語教育やマナー研修などを3カ月間実施したうえで日本に派遣。さらに日本国内で約1カ月間にわたって保育園での実務研修を行い、採用先の保育園に送り込む。すでに全国の保育園から問い合わせを受けているという。

 国内では幼児期からの英語教育が過熱しており、首都圏の無認可保育園を中心に、英会話プログラムを設けるケースが急増。県内の待機児童は前年同期比2倍超の4411人(昨年10月1日現在)を数えており、年々入園へのハードルが高まるなか、「英会話や体操を教えてくれるなど、特色のある保育園の人気が特に高い」(同社)のが現状だ。

 ◆優秀な人材急増も

 通常、これら保育園が英会話教師を採用する際には、現地代理人に依頼するか、日本在住の外国人を採用するケースがほとんど。運営者側が独自に外国人を育成する事業を展開するケースは「極めて珍しいのでは」(同)と明かす。

 フィリピンでは、アメリカがトランプ政権下で就労ビザがおりにくくなっていることから、日本で働きたいという優秀な人材が急増していることも追い風という。

 現在、大学などで日本語を学んだ経験があるフィリピン人を中心に採用しているが、「将来的には人材不足に悩む日本の保育園で、保育補助や事務スタッフとしての活用も目指す」としており、「フィリピン国内で保育士免許を取得した若者をターゲットに採用活動を行う」(同)方針だ。

 同社では今後、アジア各国で人材育成事業を展開し、「日本国内の人材不足解消の一助になれば」(伊藤社長)としている。

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【会社概要】マミー・インターナショナル

 県内や東京都内などで計約20カ所の保育園や学童施設などを運営する株式会社。昭和54年創業で、本社は横浜市中区桜木町1の1。資本金は3千万円で、従業員数は約400人(平成28年4月現在)。

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