政府案 認可外保育、必要世帯に補助 自治体が判断

認可外保育施設のイラスト
毎日新聞様
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 政府は、幼児教育・保育の無償化の原案を固めた。焦点だった認可外保育施設の利用者については、就労などで市区町村から保育が必要と認定された世帯に限り、全国平均の保育料(3万5000円)を上限に補助する。利用できるサービスは企業主導型保育所や幼稚園による一時預かり、ベビーホテルなど幅広く認める。2020年度に全面実施予定だったが、19年10月に前倒しすることも調整している。厚生労働省の検討会が近く公表する。

 政府は既に、認可保育サービスや幼稚園、認定こども園の利用について、0~2歳児は住民税非課税世帯、3~5歳児は全世帯の無償化方針を決めている。

 幼児教育・保育の無償化は昨年秋に自民党が衆院選の公約に掲げた。政府は当初、認可保育などに限る方針だったが、認可に入れずに認可外を利用する保護者らが反発。認可外も補助対象とする方針に転換した。しかし、対象範囲などを巡り、議論は迷走。認可については昨年12月に決定したが、認可外は、今夏まで結論を先送り。厚労省が検討会を設置し議論してきた。

 認可外は、東京都の認証保育所など自治体独自の事業やベビーホテルなどサービスの幅が広く、質にもバラツキがあるため、政府は利用サービスによる線引きを検討。しかし、認可に入れなかった子どもはさまざまなサービスを使っており、不公平感が残る懸念があった。そこで、市区町村の「保育認定」を受けた世帯に絞る方針を決めた。保育認定は、就労や妊娠、病気など「保育の必要性がある」と判断されれば受けられる。就労については月48時間以上でも認められ、「幅広く対象になる」(政府関係者)とみられる。

 ただ、認可外の中には利用料が月10万円を超えるケースもあるが、補助上限は3万5000円で調整しており、高額な認可外を利用の場合は自己負担が残る。

 認可外のサービスの質の改善に向けて、サービス内容に問題のある施設への指導にも取り組む方針も政府案に盛り込む。【阿部亮介】

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