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政府が2019年10月に実施予定の幼児教育・保育無償化について、都道府県庁所在地や政令指定都市など全国の主要都市に聞いたところ、回答した81自治体のうち「賛成」は半数未満の36自治体にとどまることが8月14日、共同通信の調査で分かった。福井県福井市は「どちらかといえば反対」とした。
60%の自治体は認可保育所などに入れない待機児童が無償化の影響で増えると予想。準備期間の短さから大半が実施時の対応に不安を示した。待機児童が解消されていない段階での無償化を疑問視する意見もあり、安倍政権の看板政策でありながら、実務を担う自治体で賛同が広がっていない状況が浮かび上がった。
政府が今年5月に決めた方針は、消費税率10%への引き上げに合わせ、世帯年収を問わず3~5歳児の幼稚園や認可保育施設の利用を無償化。認可外施設についても一定額を上限に補助するといった内容だ。
調査は7~8月に都道府県庁所在地(東京は都庁のある新宿区)とそれ以外の政令市、中核市の計83市区に実施し、鹿児島県鹿児島市と岡山県倉敷市以外から回答を得た。
政府方針への賛否では「どちらともいえない」が37市(46%)と最も多く、「全面的に賛成」は大阪府大阪市のみ(1%)で、「どちらかといえば賛成」が35市区(43%)。一方、「全面的に反対」としたのは滋賀県大津市(1%)で、福井市など7市(9%)は「どちらかといえば反対」と答えた。
福井市子育て支援室は「無償化すれば入所希望者は増加するだろう」と予想するが、「(入所希望者が)どれだけ増えるか読めないため、事務の増加や保育士の確保など影響の大きさも分からない」と不安を口にした。「まずは保育施設の整備や保育士の確保、養成を進め、受け皿を整えるのが先ではないか」と指摘。ただ、無償化自体は「少子化対策を考えると悪いことではない」としている。
63市区(78%)は無料になることで保育施設への入所を希望する人が増えると予想。その結果、「待機児童が増えると思う」との回答が49市区(60%)に上った。
全面的に賛成の大阪市を除き、政府方針への意見を複数回答で聞いたところ、「自治体の業務が増え、対応できるか不安」が53市で最多。「実施の際、現場で混乱を招く恐れがある」(40市)、「施設の用地や保育士の確保、質の向上など別の使い道に財源を使うべきだ」(28市区)と続いた。
「自治体に財政負担が生じないようにしてほしい」「準備のため実施は2020年度に」との意見もあった。無償化に備え、施設の整備計画を見直すなどの対応に着手したのは兵庫県明石市など3市にとどまり、「検討を含め、まだしていない」が55市区だった
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