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保育士、保護者、研究者など保育に関わるすべての人が、よりよい保育を目指し学びつながり合う全国保育団体合同研究集会(保育合研)が4~6日、大阪府内で開催されます。
1969年から始まった保育合研は、今年記念すべき50回の大きな節目を迎えます。
保育者と父母で築く歴史
子どもを真ん中に、親と保育者が手をつなぎ、保育内容、保育条件、保育運動の三つの柱ですすめてきた保育合研での交流と学習は、日本の保育の内容や政策に大きな影響を与え、歴史を切り開いてきました。それは、“憲法や平和・民主主義を守ることが、子どもの未来と豊かな保育・子育てを保障する前提”として、平和な日本社会の実現を共通の願いにたたかってきた半世紀でもあります。
保育合研では、働く父母の切実な願いにこたえる自主的な実践を交流し学び合い、子どもの発達や育ちを保障するための努力が重ねられ、産休明け保育、乳児保育、障害児保育、病児保育、夜間・延長保育などの制度化への今日の保育の基盤をつくってきました。
さらに自公政権下での公的保育制度を切り崩す動きに対し、全国と地域の保育関係者や父母が声を上げ、たたかい続けることを励まし、運動を広げる重要な役割を果たしています。
共働き世帯が増える中、保育園は多くの父母や子どもたちにとって、なくてはならない社会的役割を担い、期待も高まっています。
待機児問題の解決と保育士の処遇改善は、待ったなしの課題です。ところが安倍晋三政権は、保育の環境や条件のいっそうの切り下げを次々と進め、国が果たさなければならない保育への責任を、地方自治体に押し付け、“対策をした”と開き直っています。
設置基準が異なる認可保育所を導入し格差を広げ、保育士配置などの基準が低い企業主導型保育をその受け皿にしています。地方自治体に規制緩和を促すなど、企業参入、民営化を促進し保育の基準緩和を進めています。さらに、保育士の求められる役割や仕事は増加し、「持ち帰り残業」も多い現状が大問題になっています。
保育の市場化、低賃金などのもと、理想とする保育との矛盾や厳しい現実に苦しみ涙し、現場を去る保育者も後を絶たず、職員の不足は深刻です。
今年の保育合研には、未来を担う子どもたちが育つ保育環境がこのような状況でいいのか、いま何ができるのか、どうすればよいのかと、その解決と展望を求め、全国から大阪に集まります。
保育合研では、「自分たちが大事にしたい保育とは何か」「安心して預けられる保育所とは」と常に子どもにとっての保育の在り方を問い続け、互いをリスペクトし合い学ぶおとなたちの姿があります。
その姿は、よりよい保育を求め新しく保育に関わる保育者や、子育てに悩みながらも頑張る父母にとって何より心強い連帯と励ましにあふれ、明日の保育・子育てへの希望となるでしょう。
積み重ねた役割を力に
半世紀もの間、保育合研が積み重ねてきた歴史・社会的役割を確信に、今年の保育合研が新しい時代の保育を切り開く一歩を踏み出す集会として成功することを、心から期待しています。
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