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さいたま市は、長時間の預かり保育の実施などで共働き家庭でも通える私立幼稚園を「子育て支援型幼稚園」に認定し、利用料の一部を補助する制度を始める。定員に余裕のある私立幼稚園に保育の受け皿を広げ、市内の待機児童の解消につなげたい考え。来年四月から十七園でスタートし、二〇二一年四月までに三十五園に増やす計画だ。 (藤原哲也)
市によると、幼稚園の教育標準時間は四時間。夕方以降まで働く人にとって預かり保育の利用は欠かせないが、保育所より月額で一万四千円以上の負担増になっている。さらに、幼稚園では夏休みなどの長期休暇もあるため、共働きやひとり親の家庭が幼稚園を選ぶのは難しい背景がある。
そこで市は、公募により八時間以上開園していて、夏休み中などでも通える幼稚園を「子育て支援型幼稚園」と認定。親が共働きなどの要件を満たした場合に、預かり保育の利用料の保育所との差額分を補助する。一九年度の定員は十七園で計六百十六人分とした。
認定制度の導入による保育の受け皿拡大への期待は大きい。今春時点の市内の私立幼稚園の定員(三~五歳児)は約二万四千人で、在籍者は約一万八千人と約六千人分の余裕がある。一方、認可保育所の定員(同)は約一万一千人だが、ほぼ定員いっぱいの園児が在籍。四月一日現在の待機児童数は三百十五人と、過去二番目の多さだった。
市の担当者は、市内の幼稚園就園率が全国平均より10%以上高い実情を挙げ、「認定制度でこれまで幼稚園に子どもを通わせたかった親が保育所からシフトすることが考えられる。それによって保育所の定員に余裕が生まれ、間接的に待機児童の減少も期待できる」と狙いを話す。
市によると、類似の制度は、政令指定都市では横浜市が実施済み。県内では草加市が本年度から行っていて、越谷市が来年度から行う予定だ。さいたま市は今月下旬から認定園の紹介リーフレットを各区役所や幼稚園などで配布。十月十五日から入園願書を各園で配布し、十一月一日から受け付けを始める。
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