うつぶせ寝対策10%未実施 保育施設の抽出調査

川の字に寝る家族のイラスト
日本経済新聞さま
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総務省行政評価局は9日、149の保育施設を抽出した事故防止策の調査で、乳幼児の死亡事故が起きやすいとされる「うつぶせ寝」について、約10%が対策を実施していなかったと発表した。水遊びの監視や食物アレルギー対策が不十分な施設も確認。「安心して子供を預けられる環境が必要だ」として、厚生労働省と内閣府に関連施策の改善を勧告した。

保育所や認定こども園といった保育施設は、共働き家庭の増加などでニーズが高まる一方、2017年に死亡事故が全国で7件、骨折などの重大事故が841件発生している。死亡事故のうち睡眠中が5件を占め、1件がプール活動や水遊び中だった。

調査によると、1歳児の睡眠中に呼吸の状態や、窒息の恐れがあるうつぶせ寝、寝具の巻き付きがないかどうかを定期的に確認していなかったのは11%、0歳児では5%だった。施設側は「効果が乏しい」「他にやることがあり、時間がない」などを理由に挙げた。

溺れる危険性があり、目が離せないプールや水遊びでは指導役と監視役をそれぞれ配置することが求められているが、14%が未配置。おもちゃののみ込みを防ぐための室内点検を9%が実施せず、3%は食物アレルギーがある子供を把握していなかった。

評価局は、こうした施設の大半が監査に入った自治体から指摘や助言を受けていなかったことも確認。厚労省などには、事故防止策も監査対象と明確化し、自治体に周知するよう求めた。

調査は17年4月から今年11月、15都道府県の29市町村にある施設を対象に実施した。〔共同〕

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