「隠れ待機児童」1400人超 保育士不足も深刻 福岡市 11.18福岡市長選 数字でみる市の課題(上)

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日本経済新聞さま
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福岡市の今年4月1日時点の待機児童は40人。ただ、特定の保育施設を希望するなどして自宅近くに空きがあっても入らない「隠れ待機児童」は1431人に上る。保育士不足は深刻で、完全な待機解消はなお遠い。


今年の保育所の入所申込数は昨年より約1千人多い約3万8千人で、5年前に比べ約2割増えた。市担当者は「人口増と共働き世帯が増えていることが背景にある。今後も申し込みが増えそうだ」と話す。

市は2011年度からの7年間で、保育所の施設整備費を助成するなどして約1万3千人の受け皿を確保。昨年度は新たに18カ所の認可保育所を開設、受け入れ定員の拡大を進めている。

ただ、施設をつくっても保育士が足りない。市保育協会の篠原敬一理事長(61)は「保育士の確保が難しく、定員以下の子供しか預かれない保育所もある」。福岡都市圏の保育士の有効求人倍率は18年8月で2.37倍。4年前より1.28ポイントも上昇した。

篠原理事長は「人手の確保には一段の処遇改善が必要だ」と強調する。厚生労働省の17年調査では、保育士の月収は22万9千円で、全業種平均の33万3千円を大きく下回る。20代の女性保育士は「家賃や生活費を払ったら手元にほとんど残らない。貯金するのも苦しい」と嘆く。

市は昨年度から保育士への月額上限1万円の家賃補助制度を始めたが、人手不足解消には至っていない。結果として希望の施設に入れず、隠れ待機児童になるケースが高止まりしている。

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