学童保育待機 茨城県内395人 前年比161人減 登録は最多3万8539人 5月時点 ■受け皿拡大が課題

一人暮らしのイラスト(男性)
茨城新聞さま
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共働きや1人親家庭の小学生を放課後に預かる放課後児童クラブ(学童保育)で、希望したのに入れなかった茨城県内の「待機児童」は、今年5月1日現在で前年同期比161人減の395人だったことが、県の調べで分かった。登録児童は過去最多の3万8539人。県内でも児童の預け先が見つからないため保護者が離職する「小1の壁」「小4の壁」の問題があり、受け皿の拡大が課題となっている。

同少子化対策課によると、県内の待機児童数は2014年度が183人だったが、児童福祉法改正で6年生まで受け入れが可能になった15年度に342人まで増加。16年度に478人、17年度に556人と増加傾向にあったものの、つくば市などで義務教育学校の新設に伴う受け入れ増で本年度は395人に減った。

人口に占める子ども(0〜14歳)の割合が最も高い守谷市は待機児童が17、18年度とも1人もいない。同市には全9小学校に公設民営の学童保育があり、常時利用する児童は856人。待機児童がいない背景には、子育て支援に力を入れる市の政策があり、ハード、ソフト両面で整備が進む。

ただ働く女性の増加に伴い、学童保育のニーズが高まっている。市立大井沢小児童クラブマネジャーの武藤かおりさん(55)は「これまで新1年生の約3割が学童で過ごしていたが、2年前から約5割になった」と明かす。市は全ての希望者を受け入れる方針だが、「安心・安全に預かるためには、専用の部屋が必要。受け皿が足りない」と武藤さんは指摘する。

国は、女性就労率の上昇を踏まえ、学童保育の定員を19〜23年度の5年間で約30万人分ずつ拡大し、計152万人分とする計画。受け皿拡大に向け、人手不足も課題だ。

県少子化対策課は「市町村間と意見交換しながら、学童保育の質の向上や充実を図っていく」としている。

学童保育の質を向上させるため、国は15年に「放課後児童支援員」の資格を創設。各施設に1人以上の支援員を配置することを義務づけた。県が実施する支援員の認定研修に17年度は789人が受けている。

全国学童保育連絡協議会によると、全国の学童保育の待機児童は1万6957人で17年度から28人増えている。(鈴木聡美)

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