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富士通は、自治体向けの保育所入所選考業務支援ソフトウェア「MICJET MISALIO 保育所AI入所選考」の提供を開始。ゲーム理論を応用した独自のAI技術により、申請者の多様な入所要望や自治体の選考基準を基に、最大限に希望に沿う入所選考割り当てを数秒で導き出す。
富士通は2018年11月12日、AIを活用して保育所の割り当てを自動化する自治体向け保育業務支援ソフトウェア「FUJITSU 公共ソリューション MICJET MISALIO 子ども子育て支援V1 保育所AI入所選考（MICJET MISALIO 保育所AI入所選考）」の提供を開始した。
自治体が行う保育所入所選考業務では、申請者の希望施設や「きょうだいを同じ保育所に入所させたい」といった要望に加え、両親の勤務状況や保育状況などから保育の必要性を判定する選考基準「保育所利用調整指数」を基に、限られた入所枠に割り当てている。しかし、多様な要望に最大限沿うように選考する作業は複雑化し、多くの人手と時間を要することが課題となっている。
富士通が提供を開始した「MICJET MISALIO 保育所AI入所選考」では、同社のAI技術「FUJITSU Human Centric AI Zinrai（Zinrai）」を活用し、利害が一致しない人々の関係を合理的に解決する数理手法のゲーム理論を応用。希望保育所やきょうだいの入所希望、保育所利用調整指数といった情報や、保育所の空き定員情報など、入所選考に必要な情報を取り込み、各条件の優先順位に沿いつつ、可能な限り全員が高い希望をかなえられる入所選考割り当てを数秒で導き出すことができる。
富士通によると、中核市などでは、数千人規模の入所希望選考に延べ約1000時間費やしていたが、同ソリューションは数秒で結果を数秒で導き出せるという。
これにより、申請者への決定通知も早期に行えるようになり、住民サービスの向上にもつながる他、選考結果は電子データと帳票形式の両方で生成されるため、結果入力作業の工程も効率化できるとしている。
また、入所選考結果については、判断根拠を提示し、選考理由の説明を支援する機能を搭載。保育所の空き状況や希望順位、きょうだいの入所条件などに基づいて結果を説明できるなど、住民からの問い合わせや窓口対応を円滑に行え、透明性の高い説明ができるという。
MICJET MISALIO 保育所AI入所選考の販売価格は個別見積もり。
なお、現在、滋賀県大津市をはじめとする30以上の自治体で、同ソリューションの実証を進めている。結果を経て、滋賀県草津市では2018年度中に導入を予定し、東京都港区でも2019年度中の導入を検討しているという。
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