信州やまほいく 県が独自の支援策 幼保無償化で一部対象外

山のイラスト
信毎Webさま
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県が推奨する「信州型自然保育(信州やまほいく)」の認定施設の一部が、来年10月に予定される国の幼児教育・保育の無償化対象にならない問題で、対象から外れる施設に県が独自の財政的な支援措置を来年度講じる検討をしていることが18日、分かった。利用世帯が無償化から取り残され、自然保育が先細りする事態を避ける狙いがある。

 阿部守一知事は本年度、鳥取、広島両県知事と発起人となって「森と自然の育ちと学び自治体ネットワーク」を設立。現在、全国の111自治体が参加している。阿部知事は18日、信濃毎日新聞のインタビューに「ネットワークを作った長野県として、ぜひ支援策を講じる方向で予算編成に臨む」と述べた。

 自然型保育施設は子どもたちの自然体験を重視しており、施設面積などが幼稚園や保育所の認可基準を満たしていない所がある。県制度で認定された185園のうち認可外保育施設は現在12園あり、国が消費税率の10%への引き上げとともに打ち出した幼児教育・保育の無償化の対象外となる見通しになっている。

 県によると、12園に通う子どもは本年度235人おり、このうちおよそ過半数が実際に無償化の対象から外れる見込みという。県は国の制度の詳細が固まるのを見据えながら、県の2019年度一般会計当初予算か補正予算で財政支援を講じる姿勢だ。

 県は、豊かな自然環境や地域資源を生かした保育・幼児教育を広げようと、2015年度から信州型自然保育の認定制度を始めた。

 国の幼児教育・保育の無償化を巡って知事は「信州やまほいくの利用に逆のインセンティブ(動機づけ)が働いてしまう」とし、無償化対象に含めるよう国に繰り返し要望してきた。統一的な制度設計を進める国は対象外とする姿勢を崩していない。 

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