五輪後の持続的成長見据え投資 東京都31年度予算案

東京オリンピックのイラスト「日の丸と文字」
産経新聞様
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都が25日に発表した平成31年度予算案は、2020年東京五輪・パラリンピック後の東京の持続的な成長を見据え、都民の生活に身近な施策と、日本経済を牽引する力を得るための投資に重点を置いた内容となった。少子高齢化を背景に、「福祉と保健」分野が前年度比4・6%増の1兆2600億円で過去最高額となる中、小池百合子知事は同日の定例会見で「これから生まれてくる子供たちが未来を切り開くための、道筋を立てる予算」と位置づけた。

■メリハリきかせ

待機児童対策に力を入れてきた小池氏。今秋に始まる幼児教育・保育無償化では、児童が2人以上いる世帯に対し、認可や認証保育所の負担を第2子は半額、第3子以降は無償化とする都独自の支援策を打ち出した。関連経費254億円が新設となる。

こうした新規事業数が過去最高の411件となり、小池氏は「都債発行を控え、財政の健全性を確保しながら新規事業に配分した。メリハリのきいた予算に仕上げた」と胸を張る。

家庭と仕事を両立させる「ワークライフバランス」の充実を目指す施策には、前年度の2倍以上となる260億円を充てた。働き方改革を積極的に進める企業支援には、奨励金の支給や生産性向上に向けた専門家派遣などを行うための9億円(前年度7億円)を配分した。そのほかテレワークの導入促進、育児休暇や介護休暇の取得促進と復職支援にも注力する。

激務が指摘される教員の働き方改革にも取り組む考えで、教員を支える体制づくりとしてOBを活用したワークシェアには新規事業として10億円を充てる。

■快適で豊かな都市へ

ゲリラ豪雨との関連性が指摘されるヒートアイランド現象を和らげる対策には、65億円(同59億円)を計上し、路面温度の上昇を抑える遮熱性舗装や保水性舗装による路面の高機能化を進める。五輪の暑さ対策としても注目される。

東京大会後の成長を支える産業のあり方として、小池氏が「東京をロンドンやニューヨーク並みの国際金融センターに」との目標を掲げて久しい。都は資金運用業者を誘致することによる経済波及効果を4年間で16兆円と推計し、国際金融都市の実現・外国企業誘致に27億円(同26億円)を計上した。国家戦略特区制度などを活用し、日本経済の牽引役として東京が稼ぎ続ける姿勢を内外にアピールしていく。

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