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保育士として働いた経験をもとに描いた漫画「ある姉妹のお話」がSNS上で話題となっています。保護者の母親から子どもの七五三の写真を見せられた保育士。そこで、母親が発した一言が衝撃的で…という内容で「涙が出た」「子どもなりに分かる」「似たような経験をした」「先生の言葉に救われた」などの声が上がっています。作者の女性に聞きました。
【漫画】本編を読む
心の傷は大人になっても癒えない
この漫画を描いたのは、でこぽん吾郎(ペンネーム)さんです。現在は別の仕事をしながら、保育士時代の経験を描いた漫画を定期的に発表しています。
Q.漫画を描き始めたのは、いつごろからでしょうか。
でこぽんさん「保育の現場を離れてからしばらくたった頃です。友人の勧めで描くようになりました」
Q.今回の漫画を描いたきっかけは。
でこぽんさん「たとえ『悪気がない一言』でも、子どもが心に傷を抱えたまま大人になってしまうことを知ってほしいと考えたからです。特に顔の良し悪しは本当にデリケートな問題なので、読んだ方が自分自身を振り返るきっかけになればという思いで描きました。子ども時代に受けた心の傷がいまだに癒えない方もいるはずです」
Q.子どもを「不細工」と言った母親をどう思いましたか。
でこぽんさん「本当に信じられなくて驚きました。耳を疑いました」
Q.子どもの反応はどうでしたか。
でこぽんさん「ただ黙っていました。しかし担任として、この子が傷ついている雰囲気は感じました。子どもは、私たちが思う以上に大人に気を使っています。『泣いていないから』『ヘラヘラしているから』『黙っているから』といって傷ついていないということはないと思います」
Q.子どもをおとしめる発言をする保護者は他にもいたのですか。
でこぽんさん「いました。しかし、理由はさまざまです。謙遜やジョークで言うこともありますが、保護者自身が抱えているトラウマや子育てに対する不安や焦りが言葉に表れてしまう場合もあります」
Q.漫画について、どのような意見が寄せられていますか。
でこぽんさん「想像していた以上に、『同じ体験をしてつらかった』という意見を頂きました。大人になっても忘れられない心の傷になっているのだなと改めて実感しました」
Q.創作活動で今後、取り組んでいきたいことは。
でこぽんさん「保育士時代のエッセイ漫画をこれからも描き続けたいと思います。子育てに悩む保護者の方々を中心に元気づけていきたいです」
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