宿泊施設「廃止」に異論 白山市議会委 保育所分園開設で 市提案差し戻す

ホームステイのイラスト(アジア)
北國新聞さま
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白山市議会文教福祉委員会は23日開かれ、市側は新年度の保育所入所希望者が定員を上回ったことに対応するため、市役所近くの松任青少年宿泊研修センターを改修し、既存保育所の分園にすると報告した。議員側は分園開設には理解を示す一方、安価な宿泊費で部活動の合宿などに使用されてきたセンターを事実上廃止する案に異論が続出。代替施設を検討するよう求め、市の提案を差し戻した。



市内では、土地区画整理事業や宅地開発で就学前の子どもが増加傾向にあり、新年度の保育希望者のうち、特に0、1歳児で現状では入所できない子が出てくるという。市はこうした状況が顕著な松任、鶴来両地域に分園を1カ所ずつ設置して、0、1歳児を受け入れる方針を示していた。



文教福祉委では、松任青少年宿泊研修センターと、鶴来の旧富光寺集会所を改修し、それぞれ利用定員30人と20人の分園とする案が提示された。事業費は計2千万円で、松任は5月中旬、鶴来は4月からの開所を予定する。



市側は研修センターに関して、利用者数が2017年度は約1900人で、ピーク時の半分以下に落ち込んでいることや、県白山青年の家など鶴来、白山麓地域の県営・市営施設を代替利用できると説明した。施設の老朽化で新年度以降の指定管理者が見つかっていないことも理由に挙げ、「経費や時間的な制限もあり、苦渋の決断だった」と理解を求めた。



しかし、研修センターの営業を取りやめることになる内容に批判が相次いだ。



研修センターは松任総合運動公園に隣接する好立地にあり、中学生以下は1泊600円と安価に設定されていることから、中高生を中心に夏休みの合宿などで市内外から利用がある。



このため、議員からは「松任の大事な施設であり、廃止は大きな問題だ」(池元勝副委員長)、「青少年の宿泊を切り捨てることになる。分園をつくるためにやめるのはおかしい」(永井徹史委員)と疑問の声が上がった。



合宿などで市内の他の施設に泊まる場合にバスなどの移動手段を確保することや、宿泊費の差額を補助する制度、近隣で同様の施設建設を検討するよう求める意見も出された。寺越和洋委員長は「利用する子どもたちのケアは大事だ」と市側に代替案の提出を要請し、近く再協議することとなった。

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