千葉市の認可外保育所突然閉鎖 経営悪化、来月末で 保護者困惑と不安

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千葉日報様
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千葉市中央区にある認可外保育所が、経営の悪化などを理由に急きょ閉所することを決め、子どもを預ける保護者に困惑と不安が広がっている。昨年末に保護者に通知し、一時は1月末での閉所を決定。18日になって2月末まで閉所を先延ばしにする案内をホームページに掲載した。認可外の民間施設のため行政は運営に口を出せず、市は保護者に他施設を案内するなどの対応にとどまっている。

閉所するのは、同区祐光2のマンションにある「中央保育所」。昨年12月28日、「閉鎖は平成31年3月31日までに実施する」と書かれた文書を保護者に配布した。文書には安全確保の問題や、毎月300万円の赤字が生じていることが記され「負担が大き過ぎると判断」としている。

年明けになって「大変急ではありますが、原則1月末をもちまして保育所を閉所させて頂きます」との張り紙を施設内に掲示したが、18日になって1月閉所を撤回。新たな保育所を探す保護者に考慮したとみられる。

◆生活に支障

「預け先がないと働けず、生活に支障が出る」。急な閉所の知らせに保護者の一人は困惑したという。新たな保育所を探して認可外7カ所に問い合わせたが、すべて満員のため断られ、自宅や職場から遠い場所ではあるが2月から入所する認可保育所を何とか確保。「不便になるが、背に腹は代えられない」と話す。

待機児童が問題となっている中、年度途中で別の保育所を探すのは困難。保護者は「まだ決まっていない方が多数いる。子どもたちは環境が急に変わることに不安がっている。良くしていただいた保育士さんのことも心配」とも話した。

◆事業者が判断

同保育所関係者や市幼保運営課によると、保育所は1999年7月に開所し、途中で運営事業者が変更。現在約20人の職員がおり、0~6歳までの30人程度を預かっている。閉所することに保育所関係者は「親御さんには申し訳ない。行政がもう少し支えてくれれば、何とかなったかもしれない」とする。

同保育所は市独自の基準を満たした「保育ルーム」に認定され、市から助成金を受けている。しかし、認可外であることから同課は「施設と利用者との直接の契約になる。事業者の判断が優先される」とする。

市には、同保育所を利用する保護者から30件ほどの相談があったという。利用する保育所が閉鎖した場合、別の施設に入所できる優先順位が上がるため、同課は認可保育所への入所申請をするよう案内している。

◆東京でも

認可外保育所は、面積や保育士の配置人数といった国の設置基準を満たしていないなどの理由で、都道府県知事などの認可を受けていない施設。宿泊保育を行うベビーホテルやベビーシッター業なども含まれる。

特徴的な教育プログラムを実践するため、あえて認可を受けないケースもあり、待機児童の受け皿にもなっている。一方で、東京・世田谷区で昨年、認可外の一つ「企業主導型」の保育園で保育士が一斉退職し、突然休園になる事態が発生した。

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