予約が殺到 東京・豊洲に病児保育施設が開設

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東京・江東区の臨海部に、病気の子どもを預かる「病児保育施設」がオープンしました。これで、江東区内では3カ所目の開設となりますが、地元住民からは施設の不足を訴える声が上がっています。

豊洲駅のすぐ目の前に1月17日にできた病児保育室は、風邪や感染症などで保育園や小学校に行けない、生後6カ月から6歳の子どもを1日3000円で預かる専門の施設です。中は間仕切りで2つの部屋に仕切られていて、症状によって子どもが分かれて過ごせるようになっています。

午前9時、施設が開くと早速、子どもを抱えた母親の姿がありました。この日はインフルエンザと胃腸炎にかかった子ども、合わせて2人が訪れました。インフルエンザなどの感染症は、症状が収まっても、うつる恐れがあるうちは保育園に通うことができません。

ここでは共働き世帯などを中心に利用登録が殺到し、オープンから2週間足らずですでに400人以上が登録しているということです。この施設が誕生したきっかけについて、運営する認定NPO法人フローレンスの徳田知美さんは「子育て世帯から寄せられた『病児保育室が足りない』という声がきっかけ」と話し、利用者からも聞かれた「既存施設の予約が取りにくい」という声だったということです。この日も利用者からは「(働く母親にとって)非常に助かる。江東区の病児保育室は本当に予約が取れない。電話で『キャンセル待ち6人目』などと言われてしまう」「江東区は予約が取りにくく、いつもは中央区の病児保育に行っている。今朝、予約が取れたと連絡があったので、中央区をキャンセルしてこちらを利用した」などといった声が聞かれました。

運営する認定NPO法人と小児クリニックによりますと、豊洲駅から半径1キロ以内に位置する保育園の定員は3100人ですが、これまで病児保育施設は1カ所しかなく、定員は4人でした。現状について、区内で育児休暇中の母親からは「この辺りはマンションも多く、保育園もなかなかない。病児保育も取りにくいと聞く」「ベビーシッターに頼むなど、幾つか選択肢を用意しないといけないかなと思っている」「(江東区は)人口も増えているので、改善してほしい」などといった切実な声が聞かれました。

この施設は現在は「認可外」ですが、今後、区に認可を求めていく考えです。一方、江東区は「病児保育の要望が高いことは受け止めている。条件が整えば拡充していくことも検討している」としています。

<子どもの体調は変わりやすい 東京都は稼働率改善に支援策>

東京都は2019年度予算案に病児保育施設の使い勝手向上に努める自治体を対象に、新たに補助金を出す支援策を盛り込んでいます。その背景にあるのが、病児保育施設の稼働率の低さです。

厚生労働省によりますと、全国の病児保育施設の稼働率は45%程度で、必ずしも高くないのが現状です。その理由として、子どもの体調は変化しやすく「前日に具合が悪くて予約していても、当日になると元気になっていてキャンセルする」などといった事例が多いことが挙げられています。

このため、東京都は予約やキャンセルなどの状態を可視可する仕組みづくりをする自治体を支援することで、稼働率を上げたい考えです。

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