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小学校生活を意識
園児が小学校に入学した際、スムーズに学校生活を始められるようにと、鹿嶋市は就学前の園児教育に力を入れている。県の「就学前教育・家庭教育推進のための市町村モデル事業」を委託されており、幼児期教育を小学校教育へ円滑に結びつけることがテーマだ。
同市平井の認定こども園「こじか」(塩入豊子園長、園児297人)に22日、県や近隣の幼児施設関係者約40人が集まり、保育の様子を見学した。年長クラス(66人)が室内で、郵便屋さんごっこを実施。事前に紙芝居や絵本を通して仕分けや配達など郵便局の仕事について学んだ後、園児たちが友達や先生あてに書いた手紙を、仕分け担当になった別の園児たちに手渡し、配達するまでの流れを遊びながら経験した。
あて先を書く際に敬称を入れない子も多く、先生が「君」や「ちゃん」を付けるよう指導したり、文字をうまく書けない子には手本を示したりした。塩入園長(71)は「発達の違いもあって、できる子もできない子もいて様々。遊びを通してそれぞれの子が協力することを心がけている」と狙いを話す。遊びを通じ、学校生活で必要となる協調性などを学んでいく。
鹿嶋市は2016年度、県のモデル事業受託を前に、独自の「アプローチ・スタートカリキュラム」を作成した。小学校入学直前の1~3月を「アプローチ期」と位置づけ、小学校での生活を園児たちに意識させる。「生活する力」として、クラス全体での活動時間の中で気持ちを切り替えたり集中したりする習慣を身に付けさせ、「学ぶ力」としては、友達同士で遊び方を考えたり、言葉のやりとりをしたりする時間を設けた。
小学1年の4、5月は「スタート期」とし、生活の変化に対応できるよう工夫している。
小学校1校と幼稚園とこども園の計2園を指定校とした2年間のモデル事業は今年度で終了する。県や近隣施設から視察を受けており、同市の川村等教育長は「園と小学校が連携を深めていく一助となることを願っている。他市町村の参考になってくれれば」と期待している。
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