待機児童ワースト5位

本を読んでいる子どもたちのイラスト
読売新聞さま
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4年に1度の統一地方選が迫ってきた。前半戦の県議選と千葉市議選は来月7日、後半戦の市町長選と市町議選は同21日に投開票される。選択の日を前に、待機児童の解消や高齢化社会への対応など県内の課題を検証する。

流山市の流山おおたかの森駅に隣接するビル。夕方、市内約50か所の保育所に預けられていた子供たちを乗せたバスが屋内駐車場に滑り込んで来た。子供たちは3~4階の「送迎保育ステーション」に導かれ、保護者の帰りを待つ。

午後5時過ぎ、柏市内で仕事を終えた流山市のパート女性(33)が長男(6)と次男(1)を迎えに来た。一家は午前7時半頃、東京都内で働く会社員の夫(40)が長男、20分後には女性が次男をステーションに預け、夫婦は同駅からそれぞれの勤務先へ向かう。女性は「おかげで安心して共働きができる」と話した。

出勤時間帯に保護者から預かった子供をバスで保育所に送り、閉園後は保護者が迎えに来るまで面倒を見る市の送迎保育ステーションは2007年度、社会福祉法人に委託してスタート。08年度には南流山駅近くにも設置された。保護者の送迎の負担を軽減し、駅から離れていて空きのある保育所に子供を託しやすくすることで待機児童を減らす狙いがある。利用料は1人あたり月額2000円。登録している子供は17年度、計213人に上る。

市の人口は05年のつくばエクスプレス開業などを追い風に急増。子育て世帯を中心にこの10年で3万人以上も増加し、今年1月には19万人を突破した。送迎保育ステーションが決め手となって転入してくる家庭も少なくないといい、17年4月に92人だった待機児童は1年後に68%減の29人になった。

ただ、県内の待機児童は依然として解消のメドが立たず、少子化対策は喫緊の課題だ。県による施設整備費の助成もあり、保育所や認定こども園、認可外保育施設などの定員は11万7128人(18年4月現在)と前年同期から8816人増えた。これに伴って待機児童は1392人(同)と前年同期から395人減ったものの、全国5番目の多さ。県は18年度末までに約6000人分、19年度に約7000人分の受け皿整備を進めるとしている。

東京都心のベッドタウンとして人口増が続く市川市の待機児童は385人(同)。前年同期比33%減にとどまり、3年連続で県内ワースト1位となった。全国の市区町村でもワースト6位だ。

市は18年度、約14億6000万円を投じて計28の保育園や小規模保育事業所を新たに整備。定員を約1100人増やして待機児童解消を目指した。それでも一部地域で対応が追いつかず、19年度は17億6000万円を計上し、計19の施設を新設したり拡充整備したりして定員を約930人増やす方針だ。

ただ、市は待機児童解消の見通しを示せないままだ。「予算をつぎ込んでもつぎ込んでも、なかなかゼロにならないというのが実感だ」。担当者はため息をついた。
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