日本生命が保育仲介事業 「企業主導型」のミスマッチ解消図る

保険会社のイラスト
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日本生命保険は4月から、企業が開設主体となる「企業主導型保育所」の空き状況を管理し、子育て中の従業員がいる別の企業に紹介する事業に乗り出す。企業主導型保育所は定員割れが目立っており、日生は法人営業網を生かしてミスマッチ解消を図る。

待機児童が解消されない中、企業主導型保育所は定員の半数以上を従業員の子供が占める必要があることなどから、昨年3月時点の定員充足率は約60%にとどまり、ミスマッチが生じている。

日生はこうした状況を改善するため、保育所を利用したい企業の従業員と、空きがある保育事業者をマッチングするサイトを既に運営している保育業界大手のグローバルキッズ(東京都千代田区)と提携。4月から日生の法人担当職員らが担当企業のニーズなどの聞き取りを始める。両社はマッチングサイトの運営会社を新たに設立し、10月以降、本格事業化する方針。運営会社は従業員の保育所利用が決まると企業側から手数料を受け取る。

企業主導型保育所は突然の休園などの問題も相次いでおり、グローバル社はサイトに登録する保育所の質をチェック。日生は東大と保育の質の改善などに関する共同研究を行い、登録保育所の質の向上に役立てる。【後藤豪】

企業主導型保育所
主に従業員向けに設けられた事業所内保育施設。2016年度から、認可保育園並みの助成が国から受けられるようになった。駅の近くや住宅街など事業所外にも設置でき、複数の企業による共同設置も可能。昨年3月末時点で助成が決定されたのは全国2597施設。

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