PTA役員は全員お父さん 男性の育児参画広がる-千歳の認定こども園つばさ

仲の良い父と子供のイラスト(父の日)
苫小牧民報さま
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千歳市立認定こども園つばさ(太田雅子園長・園児数109人)=花園=は今年度、PTA役員全員が父親という開園以来初の体制で運営を続けてきた。男性の育児参加が社会的テーマになる中、市内でも珍しいケースという。父親たちが積極的に園の行事を積極的にサポートし、子育てを通じて交流を深めている。

PTA役員は各クラスから1~3人の割合で選出した計10人。育児に男性が参加してほしい―との思いから今年度は職員が声を掛けて誘ったが、太田園長は「メンバー全員が父親になったのは予想外」と言う。市内の認定こども園で役員は通例母親が多数。「お父さん同士のしっかりした結び付きができてくれていたらいいですね」と話し、顔触れに感謝する。

昨年の初夏、運動会では女性が多い職員が本部テントの建て方に苦労。即座に手助けを申し出た役員たちが協力してきぱきと完成させた。この他、夏祭りや発表会の補助などあらゆる面で職員への心強い支援があった。

PTA会長を務める蜂谷友祥さん(35)=公務員=は「男性同士なので、悩みも共有しやすく、意見が言いやすいメンバーだった」と振り返る。

わが子を思う気持ちは、男女で変わらない。6日には、今年度最後の役員会を開き、年間の活動を総括した。役員たちが太田園長らに感じたことや意見を伝えた。

「先生たちが表からは見えない裏側でやってくれていることがよく見えて勉強になった」「強制されることがなく、役員になると仕事の負荷が増えるようなイメージとは違った」―。親としての貴重な経験談にうなずき合う一座だった。

園は、幼稚園での幼児教育と保育所の保育の機能を併せ持った市立の「認定こども園」として2015年に開園。生後6カ月~5歳児の子供たちを受け入れている。園児の両親そろっての就労率は100%。

内閣府の専門調査会は男性の育児参画を推奨する。女性の家事・育児などの軽減につながるばかりでなく、視野が広がり、自身のキャリア形成にも寄与する―との考えを示している。

同園には父親同士の交流促進や父子で遊べるイベントを企画する「千歳市パパの会」メンバーもいる。同会の会長を務める渡部謙太郎さん(35)も園児の親の一人で「役員のお父さんたちが行事でよく動いてくれていて、活躍が目立った」と感謝する。

親の背を見て子は育つ。父親たちの真剣な姿の記憶は子供たちを通して未来へつながっていく。

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