新時代に求められる幼児教育とは 特別インタビュー 鍵は「特色ある園運営」 平塚市私立幼稚園協会/鷲尾紀行協会長

幼稚園の散歩のイラスト(カート)
タウンニュースさま
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平塚市内にある23の幼稚園・認定こども園が所属する「平塚市私立幼稚園協会」。本紙では、同会の鷲尾紀行協会長(77)に特別インタビューを実施、平成時代を振り返ってもらうとともに、新たな時代に求められる幼児教育のあり方を聞いた。

第二次ベビーブームの約50年ほど前、市内に幼稚園が一斉に造られた。人口1万人に1園必要と言われた時代、瞬く間に23園が誕生し、300人を超す園児を抱える園も珍しくなかったという。「当時のお母さんたちは専業主婦が多く、保育園は少ない。子どもを幼稚園でじっくり育てる雰囲気が地域にあった」と鷲尾さん。

現在はどうか。「夫婦共稼ぎが主流、教育の分野にまで効率を求める風潮が出てきました」。経済的充足を背景に、物質的豊かさを享受できる一方で「心の貧しさ、自分優先といういわば現代病が広がってはいないでしょうか」と警鐘を鳴らす。

その時代の社会情勢に関わらず「小さいころに『何を尊いと教えるか』が、幼児教育において非常に重要だと考えます」。

時代の要求に応じて、預かり保育や保護者会の仕事の軽減などが進められた市内の私立幼稚園だが、鷲尾さんは「未来をつくる使命が教育にはある。各園が特色をもち、心をはぐくむ教育を追求することが求められると思います」と前を向く。

戦後の復興とともに身に付けた効率・能率主義が今でも尾を引くなか、鷲尾さんは「幼児教育にそれを当てはめることが新時代にふさわしいかどうか考える岐路にある」と話した。


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