「親子の力に」一念発起 55歳の新米保育士奮闘 仕事と主婦経験生かす

母の日のイラスト「お母さんとカーネーション」
愛媛新聞さま
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松山市溝辺町の小百合保育園に、55歳の新米保育士がいる。木村葉子さん(同市湯の山7丁目)で、企業での勤務や主婦、母親としての経験を基に、子どもたちの力になりたいと一念発起。「現代の親たちは忙しい。子どもたちのおばあちゃん世代の余裕を生かしたい」と日々奮闘している。



木村さんは、松山商業高校を卒業後、四国電力(高松市)に入社し、結婚、出産を機に退職した。しばらくは育児に奔走するが、日本商工会議所の簿記2級の資格を生かして、税理士事務所の補助や企業の経理部門でパートとして働いた。

教育・児童福祉分野への興味はなかったという木村さんの心境が変化したのは50歳のとき。2人の子どもの育児中は、ラジオの教育相談を聞いて不安を和らげていた。その経験から、共働きが主流になり、保育の受け皿も少ない現代の親子を助けたいとの思いが強まった。

子育てが一段落したタイミングで決意。2017年、今治明徳短大(今治市矢田)の幼児教育学科へ入学した。松山市から今治市へ車で通学するのは想像以上に過酷だったが、新しいことを学び、吸収できる喜びのほうが勝っていたという。子どもたちも応援してくれた。

木村さんは4月から小百合保育園に勤務。担当は0~1歳児で、常に子どもと同じ目線に立ち、繰り返し粘り強く接することを心掛けている。

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